事業売却後の創業者の在職期間
本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「The Post-Sale Stay-Period」を翻訳したものです。
Twitter上のテック関係者をはじめ、いろいろな場所でInstagramの創業者たちが、Facebookに会社を売却してから6年で同社を去るという話で持ちきりです(訳注:本記事は2018年9月の投稿)。
私が言えることは、彼らは他の創業者より多くの時間とエネルギーをFacebookに注いだということです。
もちろん、創業者が何年も買収側の会社に勤め、時にはCEOに上り詰めるケースもあります。
しかし、それは稀です。
ほとんどの場合、創業者は1年以内に買収側を離れます。
創業者が率いる会社を買収するのなら、買収先の創業者には買収側の会社に留まるインセンティブを十分に用意すべきだと、私は自身が取締役を務めている会社にアドバイスしています(在職期間に応じて取得できる現金と株式を組み合わせた報酬を渡すことが多いです)。しかし、同時に、彼らの離職を想定しておくようにとも伝えています(仕事の引き継ぎや移行がすぐにできるようにしておくということです)。
実際のところ、多くの起業家は、組織人には向いていません。起業家は事業を仕切ることを好みます。いろいろ面倒な摩擦なく素早く動ける環境が好きで、自分が取り組んでいるものに対して深いオーナーシップを持ちたがります。
こうしたものはチームワーク、協調的な意思決定、権力の抑制と均衡が当たり前になっている会社組織の中では得づらいものでしょう。
企業買収は富を生み出す方法であり(売り手と買い手の両方にとって)、多くのスタートアップの創業者にとっては合理的なイグジットの手段です。私は企業買収を大いに支持しています。買収に関わるどちらの会社にとっても企業買収を有益なものとするために、買収先の創業者には買収側の会社にいくらか在籍してもらう必要があるでしょう。
とはいえ、創業者を6年間も買収側に引き止められたのは素晴らしいことで、私の経験からいうとこれは非常に稀です。
Editorial Team / 編集部