本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「Swinging For The Fences」を翻訳したものです。
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私たちの投資先には、ロードマップに載せるプロジェクトの優先順位をつけるための評価システムを使っているところがあります。評価システムはたくさんありますが、私はRICE(Reach、Impact、Confidence、Effort:リーチ、インパクト、成功確率、労力)が気に入っています。評価システムを使うときに大事なのは、成功確率を考慮することです。労力とインパクトを見るだけでは足りません。
ただし、私の経験から言えば、こうした評価システムを使うと、会社はインパクトが低いか中程度で、成功確率の高いプロジェクトばかり選んでしまいがちです。
投資先には年に少なくとも1つか2つ、ホームランを狙ったプロジェクトに着手してほしいと思っています。労力がたくさんかかり、成功確率は低いけれど、うまくいけば大きなインパクトをもたらすようなプロジェクトです。こうしたプロジェクトは評価システムでは優先度が低くなりがちです。
しかし、リソースを少しでもそうしたプロジェクトに割かなければ、小さな勝利ばかり追い求めるようになってしまい、会社の成長や士気、事業のポテンシャルに影を落としかねません。
なので、評価システムを使うのには賛成ですが、多くの投資先には、少なくとも年に1つはホームランを狙ったプロジェクトに着手するといった条件を付けるようアドバイスしています。数年続ければ、どこかで1つは当たり、ビジネスに大きなインパクトを与えるでしょう。
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Editorial Team / 編集部