やりたいこと、変えたいこと、達成したいことを自分自身に誓う、一年の抱負を決める季節が再びやってまいりました。
2016年に自分が変えたことは、次の3つでした。
- 朝活をきっちり続けること(5時半からジムで運動、そのあと朝食を作り、7時ぴったりに業務を開始すること)
- 炭水化物の摂取量を大幅に減らし、タンパク質とサラダ中心の食生活に切り替えること(ちょっと太りはじめたので…)
- 飲み会で「とりあえずビール」から「とりあえずハイボール」に切り替えること(ビールのせいで太り始めたので…)
今年もこれらを守り続けるつもりですが、新たな抱負も幾つか設けたいと思っています。
テック業界以外のニュースをもっと読むこと
テクノロジー業界にいる私たちにとって、アメリカの大統領選挙は全く予想外の結末でした。世界中から優秀な頭脳が結集するテクノロジー業界でも、これを予想していた人はほとんどいなかったでしょう(もちろん、ピーター・ティール氏を除いては…)。衝撃であると同時に私たちの目を覚ますものでもありました。Brexitと言い、フィリピンのドゥテルテ大統領と言い、ポピュリズムの潮流が明らかに強まっていたのに、それに気付かなかったのは傲慢だったのでしょう。とは言え、私たちの多くが同じニュースソースしか読んでいなかったことも要因だったのかもしれません。FacebookやTwitterは、興味のある人が発信する自分好みの情報を見つけ易くしてくれますが、私たちを閉ざされた空間に閉じ込め、外の世界で起きている事について無頓着にしてしまう媒体でもあります。
テクノロジーを駆使すれば世の中の多くの問題を解決できる、と私は信じていますが、自分たちの狭い社会の外で起こっていることをきちんと理解できていないと、最終的に失敗してしまうのでは、とも思っています。新年の抱負を達成するために私が先ずとった行動は、Economist(イギリスの週刊新聞)を購読することでした。Economistの記事がソーシャルメディアに掲載されると、いつも楽しく読ませてもらっていましたが、きちっと購読したのは実は今回が初めてです。これで即解決できる訳ではないけれど、テクノロジー業界だけでなく、世界全体に目を向け新しい視点を持つことができれば、と願っています。
オンライン上のセキュリティを強化する
これからは、世界的なサイバーセキュリティ戦争の時代に突入するのでは、と私は考えています。その危険性は以前からずっとありましたが、今は、それがいよいよ本格化する要因が重なっているように思えます。先ず、ロシアがアメリカの民主党全国委員会(Democratic National Committee)をハッキングし、大統領選挙の結果に何らかの影響を与えたかは定かでありませんが、それが可能だったかもしれないという発想自体が、サイバー攻撃を仕掛けようとする者に悪い前例を示しています。真似をする悪い輩は今後絶対に現れるでしょう。もう一つは、自分の状況をオンライン上で公開すればするほど、より多くのリスクに晒される点です。IoT(Internet of Things)によって今後20年間にイノベーションが大幅に進むでしょうし、私たち500 Japanもそうした第一線の起業家に投資していくつもりですが、IoTがもたらす影響はただただ良いものばかり、と能天気に構えていてはダメなのです。例えば、想像してみてください、2016年にフランスのニースで花火の見物客にトラックが突っ込んで80人以上が亡くなった悲しいテロ事件がありましたが、もし、そのトラックがハッカーによって遠隔操作されていたとしたらどうでしょう?私たちが今後直面しなければいけない未来とはそういうものなのです。少なくとも、政府や大企業は、かつて経験したことのない程のより高度なサイバーセキュリティ攻撃をより頻繁に受けることになるでしょう。
これらをどう解決できるのか、私にはまだ分かりませんが、できる限りのことはするつもりです。投資家として、これらの脅威に対する独創的な解決策を持つことで、より多くの起業家を支援できます。 一個人としては、自分の個人アカウントに2要素認証をどんどん設定し、パスワードも複雑にします。サイバーセキュリティの強化という大きな目標からすれば、ほんの小さな一歩かもしれないし、完璧な解決策ではないかもしれませんが、とにかく、できることから実践していこうと思います。
日本語力の向上
私が現在、日本語で心掛けたいと思っているのは、流暢さではなく人の心に響く表現力を身に付けることです。私の日本語力は現在、おそらく95%ぐらいで、おおよそのことは理解し伝えることができます。でも、ただ言えば良いのではなく、どのように表現するのか、言葉の選び方も大事だと感じています。今年は、語彙力を高めビジネスでその力を発揮し、表現力を高めるためにも言葉の微妙なニュアンスを捉えられるよう頑張るつもりです。
このような検定試験は存在しないので、達成度合いを測るのは難しいかもしれません。しかし、朝の運動のように習慣化することはできます。ですから、これを実践するために毎朝時間を作るつもりです。
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以上が、2017年の私の3つの抱負です。1つ目と2つ目の抱負はそう聞こえないかもしれませんが、2017年は良い年になると私は信じています。テクノロジー系IPO市場にブームが到来し、M&Aの増加と優秀な人たちによる日本での起業が増えるのではないか、と思っています。2017年を飛躍の年にしましょう!
Founding Partner & CEO @ Coral Capital