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自動化、AI、そしてときどき未来が怖くなる理由

私はテクノロジー主義であり、未来志向であり、そして何よりも楽観的です。これは当然のことのように聞こえるかもしれません。なぜならば、ベンチャーキャピタリストという職業にとって、これらは絶対的に必要な条件だからです。しかし、「未来」に投資する者でありながらも、ときどきその未来が怖くなることがあります。

テクノロジーは、私たちの生活をおおむね向上させています。タクシーを呼び、ピザを注文し、お母さんに連絡し、マリオのゲームをし、ビートルズを聴き、ビットコインの価格をチェックする、こんなことがすべて私たちの手のひらの上でできてしまいます。こんなに便利だったことは、今までありませんでした。そしてより大事なこととして、私たちのQOL全般も未だかつてないほどに向上しています。歴史上最も酷い飢餓や疫病などの災いも、現代社会からは消えつつあります。実に生き易い時代といえるでしょう。

しかし、進化には不吉な側面もあります。自動化とAIは、注目すべき脅威になりそうです。キャピタリストたちは何十年も前から、自動化は単にブルーカラーの仕事を奪うというよりは、彼らをそれらの仕事から解放してホワイトカラーの仕事に就けるようにする、と主張してきました。テクノロジーは、ただ仕事を奪うのではなく、新たな仕事を作り出すのだ、と。

出典元:ATLAS
データ:PwCによるONSおよびPIAACデータの分析

しかし、これはもはや正しくなくなってしまったかもしれません。ブルーカラーの仕事もホワイトカラーの仕事も、今後数十年の間に自動化の波に飲まれてしまうでしょう。そして、その可能性から目をそらすことは、認識が甘いどころか無責任です。テクノロジーの進歩は、豊富な価値を生み出しつつも、数少ない選ばれし者への富の集中も進めます。そして、その恩恵を直接享受できない人たちは、彼らの心に響く「昔のあの頃」的な発言をするポピュリスト的リーダーに傾倒していきます。 「ラッダイト運動」では解決策になりませんが、こうしたリスクに留意することなくこのまま突き進んでしまうと、世界は今まで以上に二極化し分断していくでしょう。

国民の経済的安定のために最低限の所得を支給するユニバーサル・ベーシックインカム (UBI) を推進しようとする者もいます。私たちの業界では、Y CombinatorのSam Altman氏がこの政策について、わりと積極的に発言しています。UBIはもちろん特効薬ではないし、私もキャピタリストとして、政府による過度の補助金支給に違和感を感じてしまいます。ですが、今後自動化がますます進む中で、UBIは解決策の候補の一つではあります。

より一層悲観的な人たちは、AIが君臨するディストピアを想像しています。私たちの業界の著名人でAIについて最も意見が対立しているのがElon Musk氏とMark Zuckerberg氏です。Musk氏はAIについて警鐘を鳴らし続けており、その一方で、話題にもなっていましたがZuckerberg氏はFacebookのライブストリーミングでファンと一時間半にわたり話をし、バーベキューで肉を焼きながらAIの脅威を否定しています。

AIは、ほとんどの場合は良い意味で、私たちの世界をほぼ確実に大きく変えるでしょう。しかし私は、Musk氏が「AIは対症療法的ではなく能動的に規制をしなければならない稀なケースです、なぜなら、もしもAI(が何らかの問題を起こした後に)をあとから規制しようと思っても、それは遅すぎるからです」との発言を、正しいと思っています。そして、自動化全般についても同様のことが言えると思っています。私たちは、今後も投資を続け、しかも積極的に投資をすべきです。同時に、こうしたテクノロジーがもたらすかもしれない未来についても、後手後手にならず、能動的に対応していく必要があるでしょう。

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Founding Partner & CEO @ Coral Capital

AI

James Riney

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