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契約交渉:強硬路線をとるか交渉の余地を残すか

本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「 Negotiating: Drawing A Hard Line or Building A Negotiating Cushion?」を翻訳したものです。


交渉はサイエンスよりもアートに近いと考えます。より良い結果を導くために磨ける戦略やスキルは確かに存在します。

ただしそのアートは、交渉相手が何に対して最適化しようとしているのかを理解し、それに合わせてどのような戦略を用いるという点にあります。

これまでの経験から私は、全ての状況に適した唯一のスタイルや戦略というのはほぼ存在しないと考えるにようになりました。

「受け入れるも拒むもあなた次第」というオファーを提示して強硬路線を貫くか、それとも交渉の余地を適度に残したオファーを提示するか、という重要な問題について考えてみましょう。

交渉を好み、交渉を待ち受ける人はいます。そういう相手に対して強気なオファーを提示し交渉に応じない姿勢をとれば、相手はあなたに対して不満を感じて、他のオファー提供者に流れていく可能性があります。あなたとの取引に応じたとしても、交渉過程でうんざりしてしまい、その後の関係に致命的な影響を及ぼしてしまうでしょう。

交渉の余地を十分に残したオファーを提示すれば、相手はその交渉過程を肯定的に受け止め、よい契約ができたと満足してくれるかもしれません。

交渉成立時には、両者が満足した内容で握手を交わせることが好ましいと考えています。それはベンチャーキャピタル投資のような長期の関係を築く際には特に重要なことです。

加えて不可欠なのは、交渉にあたりあなたにとっての「譲れないもの」と譲歩してもいいこととは何かを知っておくことです。

交渉のアートはあなたの譲れない点、そして柔軟に対処できる点をどのように相手に伝えるかにもかかっています。私は交渉開始時にその全てを見せることは得策ではないことを経験してきました。発見の過程に多くの価値があるのです。それは恋人と交際する過程と少し似ています。両者が少しずつ相手に自分を見せていくことが、長期になり得る関係の初期段階にはとても役に立つのです。

とはいえ、強硬路線を貫くことが妥当な場合もあります。相手側が全ての主導権を握っている場合、自分にとってのベストなオファーを提示し、相手に選択を促すのが最適であることが多々あります。例えば相手側が価格形成あるいは他の主要条件の形成を牽引する手段を講じて、複数のオファーを受けている場合、あなたがローボールオファー(最初に好条件を提示して契約を勝ち取った後で都合の悪い条件を開示すること)するようでは、交渉を行い契約を獲得することはできません。あなたにとって可能な限りの最高のオファーを提示し、それでも契約を勝ち取れなければ潔くあきらめるしかないのです。
ほとんどのアートと同様、全てを学ぶには時間がかかります。交渉術に関する講習やワークショップで基礎を学ぶこともできます。起業したての若者にはそれを強くお勧めします。

しかし、相手企業との力関係を推し量る術を学ぶこと、これはとても時間がかかるものです。交渉の失敗、決裂、そしてときには後悔することになる内容での成立をも経験しなければならないのです。

この最後の点、つまり自分が交渉した契約内容といかに折り合いをつけるかという点に最大の学びがあるのです。私が経験から学んだことは、難航する交渉においては「一度経験して深く後悔しているので、その失敗を二度と繰り返すつもりはありません」と言うのが最強の主張だということです。

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