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CFOの仕事はアドバイスではなく意思決定すること―、4人が語るCFOというキャリア

ひとことでCFO(最高財務責任者) と言っても、スタートアップでの仕事はファイナンスだけにとどまりません。では、実際にどんな仕事をしているのか。スタートアップのCFO・財務担当者を集めて深堀りしてみるパネルディスカッションが、2月8日に開催したスタートアップキャリアイベント「STARTUP AQUARIUM」で行われました。

登壇したのはマネーフォワードシンカ 代表取締役の金坂直哉さん、SmartHR 取締役・CFOの玉木諒さん、カケハシ 財務の三浦徹さんの3人。彼らのふだんの時間の使い方、CFOとしてのマインドセットの持ち方、さらに、気になる待遇面の話などについて語りました。モデレーターはHolmes CEO室室長の酒井貴徳さんが務めました。

企業価値を上げる“種まき”をするのもCFOの仕事

ドイツ証券を経て、アマゾン・ジャパンで経営管理を担当した後、2018年に調剤薬局向けクラウド電子薬歴「Musubi」を運営するカケハシに入社した三浦さん。1年間で約30億円の資金調達を実施したカケハシでは、ファイナンスや事業支援にリソースの半分を割いていました。

資金調達にあたっては投資銀行時代の経験、とくに「投資家側が何を考えているのか理解できるのが大きかった」と振り返ります。一方で、「資金調達の成否はCFOの腕だけでなく、会社の魅力を説明できるかどうかに依存する」とも指摘。この点については、アマゾン・ジャパンでの経営管理で身に付けた、数字の面も含めて事業を深く理解するスキルが役立ったそうです。

カケハシ 財務の三浦徹さん

資金調達のほかには「社内で拾い手がいない業務」を幅広く担当しているという三浦さん。例えば経営陣と一緒に価格戦略を設定したり、モチベーションを上げるためのインセンティブ体系を考えるなど、「長期的な目線で企業価値を上げるための種まきをするのがCFOの仕事でもある」。

SmartHRは2019年7月に約60億円のシリーズC資金調達を実施。ファイナンスに携わった玉木さんは、当時リソースの半分を投資家とのミーティングに割いていたそうです。「資金調達後はファイナンス系の仕事が減ると思っていた」ものの、今後の展開に向けて機関投資家と会ったり、IRの業務が増えたりと「ファイナンス中の業務量が100としたら、ファイナンス後は150くらい」と語りました。

「CFOの仕事はファイナンスが終わっても暇になることはない。むしろお金が入ってきてからのほうが、やることが増える」

SmartHR 取締役・CFOの玉木諒さん

金融の仕事とCFOの仕事の大きな違い

ゴールドマン・サックス証券でクロスボーダーM&Aや資金調達のアドバイザリー業務に従事した後、2014年からマネーフォワードに参画した金坂さんは、金融の仕事とCFOの仕事の大きな違いは「意思決定をするか、しないか」と言い切りました。

「CFOの仕事はアドバイスではなく、CEOと同じマインドセットで意思決定すること。アドバイスと意思決定は、やってみると本当に違う。自分は前職で『投資を決める仕事』もしていたので、その経験がすごく活きた。アドバイザリーからCFOを目指す人は多いと思うが、チャレンジになるのは意思決定。でも、それはすごく楽しいこと」

マネーフォワードシンカ 代表取締役の金坂直哉さん

金融業界からスタートアップに転職するにあたっては、「金融のときの保守的なマインドを捨てることも大事」と金坂さんはアドバイス。

「例えば銀行で働いている人はわかると思うが、どうすれば会社が潰れないかという“ダウンサイド”を考えることが多い。大きな成長が求められるスタートアップでは、どうやって“アップサイド”を描くかが求められる。マネーフォワードは2014年の売上が約7,000万円で、2019年は70億円を超えたが、そのシナリオは保守的なマインドでは絶対に描けない。アグレッシブに野心的な目標を描くのは、自分にとってチャレンジングなことだった」

スタートアップ転職で待遇は? ストック・オプションは?

スタートアップに転職すると最初は年収ダウン、よくても現状維持と言われたりしますが、華々しい経歴を持つ登壇者はどうだったのでしょうか? 転職してからの待遇面の変化も含めて、モデレーターを務めたHolmesの酒井さんが切り込みました。

Holmes CEO室室長の酒井貴徳さん

SmartHRの玉木さんと、マネーフォワードシンカの金坂さんは、転職のタイミングで年収が下がったと口を揃えます。その一方で、会社の成長に比例して待遇も上がっているようです。

「会社の成長が自分の想像以上に伸びるのは、(転職のタイミングで)待遇云々を考えないで飛び込んでみてよかった」(玉木さん)

「マネーフォワードが成長するにつれて、初期のお金のない頃に入ってきたメンバーの給料も上がり、マザーズ上場企業としては平均水準以上を出せている。ストック・オプションもかなりの社員に出すことができた」(金坂さん)

「待遇面で前職(アマゾン・ジャパン)より下がるのは仕方ないと思っていた」というカケハシの三浦さんは、「上場企業のCFOになりたい」という思いから転職を決意。現在は大企業で学べないことを急速に経験できているので、給料が下がった部分は納得していると言います。ちなみに、カケハシは全社員にストック・オプションを付与する方針を掲げているそうです。

スタートアップへの転職を検討している人にとっては、ストック・オプションが付与されるかどうかも気になる話題。この点について三浦さんは、「給料が下がるのであれば期待する人は多い」としつつも、転職先のビジョンやミッションに共感できるかどうかを重視すべきだと言います。

この意見にはモデレーターの酒井さんも「スタートアップは5〜10年で成長するもの。目先の条件だけ考えていては、乗り越えられない荒波がある」と同意。自身も転職にあたって待遇面は下がったものの、スタートアップのミッションであったり、自分のキャリアパスにフィットするかどうかが大事だと語りました。

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