本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「Hyperactive?」を翻訳したものです。
パンデミックが始まったとき、常識的に考えて、スタートアップが資金調達をするベンチャーキャピタル市場を含め、資本市場は大打撃を受けると予想されました。
2020年第2四半期が終わり、まもなく実際の数字がどうだったのか分かってくるでしょう。当初の予想に反して、ベンチャー投資は非常に活発になっているのではないでしょうか。
私がそう思う理由はいくつかあります。
第1に、ベンチャーキャピタルは資金を集め、それを活用するのが仕事です。有望な機会があれば、それに投資するのが私たちの仕事ということです。現金をため込むために働いているわけではないのです。
第2に、この3か月間、ハイテク企業の株価は順調に伸びていて、それが投資家心理に影響を与えています。株式市場が強気であれば、ベンチャーキャピタル市場もまた強気になります。
第3に、このパンデミックでソフトウェアビジネス、EC、ソフトウェアインフラなど、スタートアップやベンチャーキャピタルに人気のあるセクターは回復力があり、魅力的な投資先であることを示しました。
第4に、1日じゅう家にいて、旅行することも他人と交流することもできない環境は、多くの人にとって(もちろん全員ではありませんが)効率的な仕事環境となっています。
そして最後に、たくさんの優れた起業家が素晴らしいビジネスアイデアを思いついています。パンデミックは起業を抑制するものではありません。どちらかといえば、促進させています。
ベンチャー投資のいくつかの分野は減速しているかもしれません。この数年でグロースのために大型調達を行った分野のいくつかは、パンデミックによるマイナスの影響を大きく受け、その結果、成長市場の一部は減速しているのではないかと思います。
しかし、2020年第2四半期を振り返ってみると、ベンチャー投資はフル稼働し、むしろエンジン全開で非常に活発になっているように見えます。これは起業家やイノベーションにとって朗報です。
Editorial Team / 編集部