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GAFAのようなプラットフォームは解体するより開放を

本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「Open Up Instead Of Break Up」を翻訳したものです。本記事ではFacebookの提訴について触れていますが、この記事が書かれた1週間後には米司法省がGoogleを反トラスト法違反の疑いで提訴しています。


昨年末、米連邦取引委員会(FTC)に加え、46の州と他いくつかの地域が、独占的地位にあるとして(反トラスト法違反)Facebookを提訴しました。このニュースを受け、テック企業のモノポリーに対する、より強力で時代に即した規制のあり方について再度、提案したいと思います。私が最初にこの話題について書いたのは1年半前で、これまでに少なくとも一度は再投稿しています。

Amazon、Google、Facebook、Appleなど、独占的地位にある大手インターネット企業は解体すべきという声が多く上がっています。

しかし、大手企業を解体するというのは、19世紀や20世紀的な古い考え方であると思います。

より良い介入の方法として大企業を開放することを、政治家や政策に関わる人たちには考えてほしいと私は思っています。

これを説明するには、初期の頃のTwitterを考えてみるのがいいでしょう。当時、多くのサードパーティ製Twitterクライアントがありました。Facebook、Instagram、Twitter、LinkedInなどのサービスがアプリケーションではなく、プロトコルとして存在し、多くの質の高いクライアントがこれらのネットワークを利用できたらどうでしょうか。

そうしたクライアントサービスは、コンテンツのフィルタリング、高品質なコンテンツのプロモーション、ビジネスモデルなどの面でイノベーションを起こせるでしょう。

巨大なソーシャルメディアプラットフォームを「解体」する方向性のままであるなら、私は規制当局や選挙で選ばれた議員に、大企業を単に解体するのではなく、プラットフォームからプロトコルに移行する方法を検討するように、と言いたいと思います。

検索サービスでも同じことができます。私たちの投資先であるDuckDuckGoは、2つある主要な検索インデックスの1つの上に新たなユーザーインターフェースを構築することで、すばらしい検索ビジネスを作り上げました。他の人がコアとなる検索エンジンを使って、簡単かつ安全に新しいことができるようになれば、検索サービスにはより多くの選択肢が登場するようになるでしょう。

モバイルでは、まずアプリストアを開放し、ブラウザからでもネイティブアプリと同じようにオペレーティングシステムにアクセスできるようにするところから始めるのが良いと思います。

Eコマースでは、Amazonと同じように、どこでも簡単に支払いができるようになれば、人々が買い物に使うお金を巡って企業間の競争が増えるのではないでしょうか。

もう私の考えはお分かりかと思います。大手インターネット企業が中央集権的に市場を支配し、独占的地位を占めているのは事実です。これらのコアサービスにはより多くの競争が必要です。これを実現する良い方法は解体ではなく、サービスの開放を大企業に強制することであると思います。

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Editorial Team / 編集部

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