海外注目スタートアップ:フリーランス向け健康保険プラットフォーム「Stride Health」
海外の注目スタートアップを紹介する連載シリーズ、今回は特にヘルスケア領域の内外動向をウォッチしているCoral Capitalシニア・アソシエイトの吉澤美弥子が、米国のスタートアップ「Stride Health」をご紹介します。Uber配達員などギグワーカーと呼ばれるフリーランス向けの健康保険プラットフォームです(本記事の内容はYouTubeでもご覧いただけます)。
Stride Healthは2013年創業で、これまでに総額で3,890万ドル (約40億円)調達しています。
「アメリカだとシェアリングエコノミーが成長しているので、その市場の伸びとともに成長している企業です。UberとかPostmates、DoorDashなどデリバリー系に加えて、TaskRabbitやCare.comもStride Healthを導入しています。シェアリングエコノミーの事業者間の競争が激化していることが背景にあると思います」(Coral Capital吉澤)
ギグワーカー向けに付加価値を提供するのがUberなど事業者側にとっても重要になっています。UberやLyftのギグワーカーは個人として独立して業務を請け負う「インディペンデント・コントラクター」(個人事業主)という扱いになっていて、労働時間や最低賃金、税制などで正規雇用のような保護がありません。そのことから米国など各地で訴訟が起こされ、2019年にはカリフォルニアでインディペンデント・コントラクターを正規雇用とみなす義務と、その基準を定めた法案が通過。その後、UberやLyftに加えてDoorDashやInstacartなどがロビイング活動を展開。労働条件に一定の制約をつけることで、2020年末に業界側で適用除外を勝ち取った経緯もあります。
日本のフリーランスはどうでしょうか?
「エンジニアやライターなど、手に職のある方がフリーランスになりやすくなっている現状があります。日本の場合、国民健康保険や国民年金に入れるということはありますが、条件面や福利厚生の充実度などで、大企業並みのサービスを受けることができません。現在のように日本でもフリーランスやギグワーカーが増えていますから、そうした個人に対してプラットフォームでサービスを提供することもできるのではないかと考えています」(Coral Capital吉澤)
この領域ですでに起業しているとか、起業を考えているという方がいらっしゃれば、ぜひCoral Capitalの吉澤までご連絡いただければと思います。
Editorial Team / 編集部