【米国トップVC】Accelの4月新規投資、SaaSやノーコード、eKYCなど

米国のトップティアVCの新規投資先をまとめて手短にご紹介する連載。今回はAccelの2021年4月の資金投資先から6社のスタートアップを紹介します。

AccelはFacebookの可能性にいち早く気づき、巨額のリターンを得た名門VC。グローバル投資網に秀でており、インドや欧州でもユニコーン投資に成功しています。これまでエグジットした投資先としては、Facebook、Slack、Dropbox、Atlassian、FlipKart、Spotify、DJI、Jet.comなどがあります。

今回の投資先を見てみると、多数のSaaS運用の支援、すでにCRMやSFAが入った組織向けのSaaS、eKYCプロバイダーなど、既存のクラウドアプリに対して、さらに付加価値を付けるといったタイプが多くなっているのが見て取れます。既存チャットアプリ自体をShopifyのようなストアのUIにするCharlesも興味深いアプローチです。

ConductorOne(SaaSのアカウント管理)

ConductorOneはSaaSの管理ソリューションで、まだシードで500万ドル(約5.46億円)を調達したばかりの新しいスタートアップです。法人など組織で利用する各SaaS上でのアカウント発行、権限付与・無効化、アカウント停止などは申請時にチケットを作成して、それを情報システム部が処理するマニュアル操作になっていることことが多く、これを自動化します。情シスが全てを中央集権で管理するのではなく、担当部署に権限移譲できるモデルを採用しているのが新しいかもしれません。アカウントごとの権限はオフボーディング忘れや、過度の権限付与など問題が多く、今後は監査対応も含めて、こうしたソリューションが増えてくるかもしれません。

Charles(チャットアプリをECに)

Charlesはベルリン発のチャットネイティブなECサービスで、シードで740万ドル(約8億円)を調達しました。WhatsAppやMessengerをはじめとするチャットアプリでのストア運営をする支援します。API接続でShopifyやHubSpotをつなぎこむことで、チャットUIによる物販を実現。AIによる自動化とヒトによるチャットを融合して、小売ブランドに新たな販売チャネルを提供します。ユーザーに対して入荷通知や荷物配達状況の確認などをノーティフィケーションで送ることもできます。

CaptivateIQ(営業インセンティブ計算SaaS)

CapitivateIQは営業職スタッフのボーナスを自動計算するスタートアップで、シリーズBで6,200万ドル(約68億円)を調達しました。CaptivateIQは営業、マーケティング、カスタマーサクセスなど、個々人のパフォーマンスによってボーナス額(インセンティブやコミッションとも呼びます)を自動計算するサービスを提供しています。CRMやSFAが普及したことで、すでにクラウド上にリアルタイムに営業活動の情報が蓄積されていることから出てきたアプローチです。ジャンル的に競合するXactlyなどもありますが、SaaS時代のソリューションへの世代交代が起こりつつある、ということでしょう。

Veriff(eKYC)

Veriffはオンラインの各国の身分証に対応した本人認証を提供するエストニア発のeKYCのスタートアップで、4月にシリーズBで6,900万ドル(約75億円)を調達。3月には、やはり個人認証の各種サービスを提供するPersonaが5,000万ドル(約55億円)をシリーズBで調達するなどオンラインのアイデンティティー関連のスタートアップが注目。Veriffは190の国・地域の9,000種の身分証明書に対応し、98%を自動化できるとしています。

Atrato(南米のAffirm)

Atratoはメキシコ発のFintechスタートアップ。4月にAccelやY Combinatorなど著名VCから270万ドル(約3億円)のシード調達を実施しました。小売事業者が購入者に対して販売時に割賦支払いを可能にするプラットフォームで、クレジットカードを持たない消費者でも利用できます。同様のサービスを北米で展開して成功しているAffirmの南米版と言えそうです。

Catch&Release(AdTech)

Catch&Releaseはコンテンツのライセンス仲介をするプラットフォームで、4月に2,360万ドル(約26億円)のシリーズA調達をしました。アーティストやシネマトグラファー、ホビイストなどが制作した写真、動画、オーディオなどをブランドのマーケターが利用できるようライセンスを仲介します。ネット上のコンテンツはライセンス可能かどうか判断してたり、著作者に連絡するのが難しいという問題があり、それをプラットフォームで解決。例えば、シーフードレストンのレッドロブスターのこのテレビCMや、GoogleのPixel3のCM動画は、全てオンラインの素材だけで制作したといいいます。

Coral Capital

Editorial Team / 編集部

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