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米国VCの半数が株式市場のパフォーマンスを上回る

本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「Half Of All VCs Beat The Stock Market」を翻訳したものです。Fred Wilson氏による過去の翻訳記事の一覧は、こちら


VCファンドに投資して良いリターンを得るには、上位4分の1(25%)、可能であれば上位10分の1(10%)のVCファンドに投資する必要があると言われてきました。私がVCになった頃からそう言われてきましたし、このブログでも何度か同じことを書いたと思います。

ところが、これは事実ではないとわかりました。ほとんどの金融機関は株式市場をベンチマークにVCファンドのパフォーマンスを評価しますが、全VCファンドのうちの約半数が株式市場より高いパフォーマンスを出していたのです。

私の友人であるDan Malvenが昨日(2021年4月26日)、これについてブログ記事を書いていました。

<引用ここから>
全米経済研究所(NBER)が2020年11月に発表した調査報告によると、従来の見解に反し、全VCファンドのマネージャーのうちの約半数が株式市場より高いパフォーマンスを出していて、VCファンドが機関投資家の投資対象としてふさわしいことがわかったのです。
<引用ここまで>

しかも、この調査は2009年から2017年までのVCファンドのリターンの大規模なサンプルに基づいていますが、VC業界が特に好調だったここ数年のデータは含まれていません。

ただし、VCファンドの残りの半分は株式市場よりパフォーマンスが低いため、マネージャー選びは依然としてVCファンドに投資する際とても重要な要素です。この調査結果の面白いところは、VCファンドの「ファンド・オブ・ファンズ」のほとんどが株式市場より高いパフォーマンスを出している点です。つまり、VCファンドのポートフォリオを組むことで、パフォーマンス目標を達成するのに十分な分散効果が得られると言えます。

ファンドマネージャーの最適な選び方は、何らかの形でスタートアップビジネスに関わることです。人々の様子を観察すれば、優秀な人が誰かわかります。私と妻はかれこれ15年ほど、私たちがよく知っていて、スタートアップの取締役会で一緒になり、近くで働いたことのあるマネージャーのVCファンドに投資しています。

下記の表で示すのは「成熟した」、つまりリターンがある程度はっきりしているファンドのリターン倍率です。

株式市場と比較したパフォーマンスがどれくらいかそれぞれ計算するつもりはありませんが、11本中2本ほど除いた、すべてのファンドが株式市場より高いパフォーマンスを出しているのではないでしょうか。

このようにVCファンドへの投資は、非常に高い収益性が期待できます。また、資本市場やM&A市場の活況によりファンドマネージャーには十分な流動性の機会があることを考えると、今後収益性は低下するどころか、ますます高まるのではないでしょうか。

残念なことに、証券取引委員会はVCファンドに投資できるのを適格投資家や認定投資家に限定しているため、多くの一般の投資家はVCに投資できません。私には全く理解できない話です。これもまた富裕層をより豊かにし、他の人たちを除け者にする「善意」のルールの一例でしょう。

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