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ミーム投資は本当にバカげているのか?

本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「Meme Investing」を翻訳したものです。Fred Wilson氏による過去の翻訳記事の一覧は、こちら


5、6年前、ある友人がドージコインを買ったと言っていました。私は「変なことをするものだ」と思い、取るに足らないふざけた話だと思って気にも留めませんでした。

ドージコインは2013年末に登場し、7年半後には時価総額430億ドルになりました。今では世界で最も人気のある暗号資産の1つです。ドージコインは取るに足らないふざけたものだったかもしれませんが、その友人と初期に買った人たちにとっては良い投資になりました。

ご存じない方のために説明すると、ドージは当時ネットで流行したミームです。ミームと投資は強力な組み合わせですが、私は長い間、おそらく間違った認識を持ったまま、ミーム投資について深く考えてきませんでした。

最近では、GameStop、AMC Theaters、Wendy’sをはじめ、公開市場の株式でミーム投資が行われています。このような「ミーム株」を動かしているのはRedditを拠点とするコミュニティです。このコミュニティの購買力は、特に流動性の低い株式(や暗号資産)において絶大な力を発揮します。

ミーム投資を馬鹿げていると切り捨てるのは簡単です。ファンダメンタル分析では、これらのミーム資産が取り引きされている時価総額は全く理に適わない数字になっています。ですが、重要なのはそこではないということに私は気づきました。

ミームは楽しく、ミームを中心に人が集まります。ミームの人気と持続力への投機は、他のあらゆる投機となんら変わらないでしょう。

また、私がミーム投資に注目しているのは、ミーム株の時価総額には強い経済的な力があるからです。ミーム株の会社の取締役会や経営陣が、ミーム株が取引されている価格で株式を追加発行すれば、会社を変革するだけの多額の資金が調達できます。暗号資産のミームトークンでも同じことが可能かもしれません。先日、AMCは自社の「ミーム株」で実際にこれを行いました。

私は、ミーム投資を無視したり、否定したりするのをやめ、もっと深く理解してみようと思います。今後すぐにミーム投資がなくなることはないでしょうし、もっと面白いものへと発展するかもしれません。

とはいえ、退職金や子どもの教育費の積み立てをミーム投資に充てることを勧めているわけではありません。今は投機と考えておくがいいと思います。この認識は変わるかもしれないし、変わらないかもしれません。それはこれから分かるでしょう。

(Fred Wilson氏による記事の翻訳一覧はこちら

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