本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「The Jiu-Jitsu Move」を翻訳したものです。
市場に新しいテクノロジー、新規参入者、新しい行動習慣が登場すると、最初は拒絶しがちです。
ですが、私の会社のパートナーであるブラッドがよく言うように、自分に向かってくる力は自分の利になるよう使うのが得策です。ブラッドはこれを「柔術ムーブ」と呼んでいます。
15年前、Wikipediaが登場したときの学校の反応が良い例です。ほとんどの教師はWikipediaを警戒し、サービスの「不正確さ」を挙げて課題の調べ物には使わないよう生徒に指導していました。
ですが、何人かの賢い教師はWikipediaの記事を修正する課題を生徒に与えました。これが「柔術ムーブ」です。
個人の医療情報の取り扱いも良い例です。医療業界にいる多くの人は、個人が自分の医療情報を持つようになるのは、自分たちや、自分たちのキャリアにとってリスクであると考えています。ですが、数年前、毎年行っている健康診断の際、私のかかりつけ医は私のiPhoneにあるヘルスケアアプリのデータを見せてほしいと言いました。診察の参考になる情報が増えるということでした。これも「柔術ムーブ」です。
また、昨日、私は不動産業界のイベントに参加し、たくさんの不動産エージェントと会いました。彼らは、最近では顧客の方が自分たちより多くの情報を持っているという話をしていました。私はそれを脅威と捉えるのではなく、利用できる方法がないか考えることを勧めました。情報を持っていることが有意性で、その有意性が失われようとしている業界に長くいる人にとって、これは簡単ではないかもしれません。
しかし、前進したいなら変化を受け入れなければなりません。抗っていても仕方ないのです。
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Editorial Team / 編集部