マネージャー「さて、今日は何から話しましょうか?」
メンバー「うーん、特に話すことないですね…」
……(長い沈黙)
上司と部下の1on1ミーティングでこんなシーンに遭遇したことはありませんか?
1on1で何を話せばいいのかわからなかったり、マンネリ化してしまったりして戸惑っているーー。そんな人に知ってもらいたいのが「1on1カード」です。
このアイテムを2年前からリモートの1on1で使っているという、化粧品ECプラットフォーム「NOIN」を運営するノインの総務人事部長、土屋輝章さんにその魅力を聞きました。
メンバーの話を引き出す質問カード
1on1カードは聴き手(マネージャー)が話し手(メンバー)の話を引き出すために、合計76枚の質問カードが用意されています。カードはテーマごとに分かれていて、仕事状況をヒアリングするためのカードや、メンバーの価値観を知るためのカードなどがあります。
土屋さんは週1回ペースでチームのメンバーとオンライン1on1を実施。ふだんはメンバーに議題を用意してもらっていますが、話すテーマがないときや、いつもと雰囲気を変えたいときなどに1on1カードを使っているそうです。
1on1カードを使うにあたっては、事前に「こういう話を聞きたいのでこのカードを使う」と準備しておきます。例えば、最近残業が多いなと思ったらメンバーの体調を尋ねるカード、新しいプロジェクトが始まった時は人間関係を尋ねるカード、などと当たりを付けておくそうです。
土屋さんによれば、1on1カードを使ってみてよかったのは、質問のレパートリーが増えたこと。また、メンバーとの関係性によっては聞きにくいプライベートの話題についても、「カードの力を借りて自然に話せる空気になる」とカードならではの効果を実感しています。
ここからは、土屋さんのお気に入りのカードを紹介します。
1)休みにどのくらい仕事のことを考えていますか?
「休みの日に仕事を考えること自体はマイナスではありませんが、中には『考えすぎてしまって辛い』という答えが返ってくる可能性もあります。休みにリフレッシュできているのであれば良いのですが、メンバーが辛いときに気づいてあげられる質問だと思います」
2)話しにくいと思った状況はありましたか?
「人間関係の悩みを知るために『苦手な人はいますか?』と直接的に聞くのもいいですが、それだと答えにくいですよね。他人の陰口を言うような感覚に陥るので。このカードは、それとほぼ同じことを聞いているんですが、『言いにくい状況は?』と言い回しがライトなので、メンバーも答えやすい。その結果、『先日のあのプロジェクトがきつくて……』などと話しが広がるかもしれません」
3)上司やメンバーから褒められた・感謝されたエピソードはありますか?
「身も蓋もない話ですが、マネージャーはメンバーのすべての活動を見ていられるわけではないですよね。このカードの良いところは、自分が知らないところで、メンバーが感謝されていることがわかることです。メンバーもこうして聞かれない限りは、わざわざ上司に言わないかもしれないじゃないですか」
お気に入りに挙げた3枚に共通しているのは、「カードに出会うまでは聞こうとも思わなかったこと」と語る土屋さん。これらのカード以外にも枚数が豊富なため、話題の盛り上がりに応じて同じテーマを深掘りできるのも魅力だと言います。メンバーからも「お互いかしこまらないので話しやすい」「また使いましょう」などと好評を得ているそうです。
1on1カードは税込3000円(送料別)。こちらから購入できます。
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