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起業家がVCアソシエイトに会うべきケースと、会わなくていいケース

こんにちは、500 Startups Japanの吉澤美弥子です。私はベンチャーキャピタル(以下VC)のアソシエイトという立場で、日々多くの起業家とミーティングしています。その中で常に自問自答していることは、「起業家がパートナーに直に会うのではなく、まず私を介する意味とその価値を提供できているか」ということです。

VCにとっては、パートナーが投資の意思決定だけでなく、投資先の支援やファンドレイズにより多くの時間を割けるよう、なるべくパートナーの時間を確保したいと思っています。そのため、アソシエイトが先に起業家に会い、事前に絞り込むことは非常に合理的です。

しかしながら、起業家にとってはどうでしょうか。日々膨大な業務を抱える起業家にとって、VCよりもユーザーや顧客に向き合う時間を何より優先したいと考えるでしょう。調達時の投資家とのコミュニケーションをなるべく最小に抑えたいのに、アソシエイトを介するのは、ミーティング数が増え、負担になると考えるのは当然です。

では、アソシエイトである私は、起業家に何を提供できるのでしょうか。

(500の)アソシエイトがミーティングで起業家に提供しようと心がけていること

  • 資金調達自体の意思決定を支援
    適切な情報提供を行うことで、そもそもエクイティでの調達をすべきなのか、それとも他の方法を検討するべきなのかディスカッションする。
  • 500からの調達を進めるべきか相談:
    500の出資条件や、支援体制、その他特徴を共有し、500との相性を共に検討する。
  • 500から調達したい場合、そのプロセスを支援:
    調達をしたい場合、実際どのようなプロセスで着金まで進められるのかを共有する。また、どのような判断基準で評価するのか、各社にとってどの要素を強調したら良いのか、ネクストステップが何なのかを明確にする。また、パートナーとのコミュニケーションがスムーズに行くよう調整する。

私の役割の中心はやはり、投資の可能性があるのかどうか、起業家を絞り込むことです。ただ、それ以上に起業家にも適切に情報を提供し、500を判断してもらい、話を進めるにせよ、進めないにせよ意思決定してもらいたいと思っています。そもそも、私やファンド自体も起業家に選ばれる立場です。なので、まずアソシエイトである私を介して500から調達したいか判断してもらえればと思っています。

(余談ですが、私たちは常に選ばれるVCであるために、ミーティングした起業家に匿名でのフィードバックをお願いしています。毎回ドキドキしながら拝見し、改善を心がけています)

アソシエイトを介さなくてもいい場合

パートナーとすでに面識があり、十分にコミュニケーションが取れる関係にある場合には、パートナーにダイレクトにお話いただくべきだと思います。また、パートナーと信頼関係がありそうな人に紹介を頼める場合もパートナー指名でもいいかもしれません。もちろん、上記のような内容をパートナーとのミーティングで聞くこともできるでしょう。

裏を返せば、上記のようなアソシエイト体制が実現するには、アソシエイトとパートナーの信頼関係も重要な要素です。パートナーと距離が近く、信頼関係がなければ、例えアソシエイトを介しても円滑には進まない可能性もあるでしょう。大型調達を経験したとある起業家さんは、パートナーとアソシエイトの距離感でアソシエイトと会うべきか判断しているとアドバイスしていました。なので、ファンドによっても大きくスタンスは異なると思います。

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Senior Associate @ Coral Capital

Miyako Yoshizawa

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