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デューデリジェンスのやり過ぎにご用心

本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿を翻訳したものです。原文はこちら


今回は、私がベンチャーキャピタルとして学んだ、お気に入りの教訓を共有したいと思います。ブログを始めて間もない2004年のこと、私はリリースされたばかりのFeedburnerというサービスを知りました。そこにはブログのRSSフィードにとって、多くの便利な機能が用意されていました。早速私は契約し、AVCはそのサービスの初期ユーザーのひとつになりました。すぐにそのサービスとアイデアが好きになった私は、その卓越したサービスを開始した創業者兼CEOのDick Costolo(ディック・コストロ)氏にコンタクトをとりました。私はDick氏にFeedburnerへの投資を考えていることを伝えました。私の友人であるBrad Feld(ブラッド・フェルド)氏もDick氏に同じ話をしていたので、私たちは共同で投資することにしました。

私たちのVCの投資プロセスの一部に、デューデリジェンス(DD)と呼ばれる、膨大な量の事実関係の収集と確認作業があります。そこでパートナーのBrad Burnham(ブラッド・バーナム)氏と私は、その当時人気のあったRSSフィードを持つ一流のブログと、オンラインメディアのリストを作りました。そのリストには十数のメディアが載っていたと思います。Weblogs (Engadget)、Gawker、ニューヨークタイムズなど、他にもたくさんありました。これらの運営元はほとんど知り合いだったので、私たちは電話をかけることにしました。

反応は驚くべきものでした。誰一人として自分のRSSフィードを分析やマネタイズのために第三者に渡したがらなかったのです。私たちはそれを聞いて驚き、少し考えることにしました。しかし結局私たちは、大手出版社が支持しないものには投資は出来ない、と判断しました。がっかりしながら私はディックに電話を掛け、この投資案件を見送ることと、その理由を話しました。一方でBrad Feld氏は投資を進め、FeedburnerはUSVなしで調達ラウンドをクローズしました。

6か月ほど後、私はディックにある業界のカンファレンスで偶然会いました。私たちは一緒にランチをとることにし、その最中彼は私に「あなたが電話した十数もの出版社を覚えていますか?」と聞いてきました。私は「ええ、それがどうかしましたか?」と答えると、彼は「今それらのメディアは全てFeedburnerのユーザーになっていますよ」と言いました。

私は腹が立ちました。どうしてこんなことになるのでしょう?そこで私は彼に尋ねました。「私たちが諦めた最後のラウンドに参加させてもらえませんか?」彼は「ダメです。でも50%増しの値段で良いなら投資して下さい。」と答えました。私たちはそれを受け入れ、Feedburnerの出資者になりました。そして数年後FeedburnerはGoogleに売却され、投資は実を結びました。

私がここで得た教訓はなんでしょう?一つ目は、自分の直感を信じることです。私はFeedburnerを使っていて、とても便利なサービスであることを知っていました。他の人々もそれを知っていたと思います。知ってはいたけど、彼らには少し時間が必要だったのです。二つ目は、サービスはまず小規模なユーザーの関心を引き、しばらくすると大企業や大物ユーザーがやってくるということです。私はその後、そのようなことが起きるのを何度も見てきました。そして最後に、DDのやり過ぎに気を付ける、ということを学びました。マーケットの意見を聞くことは大切です。しかし、チームの質、プロダクトそのもの、ユーザーエクスペリエンスなどの、ほかのこととバランスを取る必要があります。特に会社もマーケットも発展の早い段階では、DDだけに頼ってはいけないのです。

ベンチャーキャピタルベンチャー投資投資基準

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