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VRの波は今こそ現実になるのか?

ベンチャービジネスではタイミングが非常に重要です。あまり早すぎてはいけませんし、遅すぎてもいけません。仮想現実(VR)のケースでは、私は少し早すぎたのかもしれません。

DeNAの投資部門で働いていた時、私は同社の最初の投資をVRの領域に振り向けました。当時、多くのベンチャーキャピタル(VC)がそうだったように、私もVRが次世代のコンピューティングプラットフォームになると確信していました(これについて4年前に私が英語で書いたものがこちらです)。その確信を胸に、時流の波に乗れると思われるスタートアップ企業に投資することにしました。当時はまだVRコンテンツがあまり出回っておらず、今後伸びるのは明らかだと思われました。そこで市場に出ているあらゆる製品を試してみて、最も有望と思われた2社に投資先を決定しました。WithinPenrose Studiosです。Withinは「VR界のNetflix」といったようなものに成長し、Andreessen Horowitzから資金を調達しました。一方Penroseは「VR界のPixar」へと成長し、TransLink Capitalから資金を調達しました。

両社とも強力な創業者のいる企業です。Coral Capitalではそうした人たちを強力な「サーファー」と呼んだりします。しかしVRの波は予想したほど早くは来ませんでした。VRヘッドセットが主流デバイスとなることはなく、結果として、消費者向けビジネスが有意に成立するほどのインストール基盤が形成されなかったのです。価格の面でもまだ壁が存在していました。十分な処理能力を持ったコンピューターが搭載されたヘッドセットは20万円弱もしました。その上、性能が良いデバイスは有線で繋がれており取り回しが不便だったのです。スマートフォンで利用できるものもありましたが、日常的に使うのにふさわしいものはありませんでした。そこで、他の技術革新の波(ハイプ・サイクル)ととも私のVRへの関心も薄れてしまいました。

しかし、今またVRへの興味が戻ってきました。新しく登場したOculus Questのおかげです。PC用ヘッドセットと同レベルの品質の体験を実現していますが、スタンドアロンで動作し、ワイヤレスで、価格は¥49,800です。Oculus Goもワイヤレスでしたが、3自由度(VR体験において対応できる動きの方向の数が3つ)しか提供していませんでした。つまり、頭部の旋回、傾き、回転にしか対応できていなかったのです。身体の横方向の移動や上下方向の移動はとらえていなかったのですが、これは没入感を生み出すために決定的な違いをもたらします。この高機能がこの低価格で購入可能なのですから、VRの普及が一気に進む可能性があります。

最近サンフランシスコを訪れた時、友人であるVenture Reality FundのTipatat氏が彼のものを試用させてくれましたが、感銘を受けたと言わざるを得ません。しかしそう感じたのは私だけではないようです。発売から2週間で500万ドル相当のコンテンツが売れました

Questを試して以来、VRで大きな事業を構築する機会について、より柔軟に考えられるようになりました。より探求を深め、この分野に目を向けている起業家たちにもっと多く会ってみたいと考えています。とはいえ、タイミングが全てです。今回は慎重になりながらも楽観姿勢を保ちたいと思います。

VR

James Riney

Founding Partner & CEO @ Coral Capital

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