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外国人だけ再入国できないのは不公平、今は海外優秀層を呼び込むチャンスだ

4月3日、日本政府は新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、日本に生活基盤を置く外国人の再入国を原則禁止としました。これにより、在留資格を有する納税者たちが海外に取り残されてしまうこととなりました。家族の面倒を見るために出国した人でさえも、自宅へ戻れなくなってしまうような事態でした。一方で、日本人に対しては、検査および隔離以外に特に制限はありませんでした。

在留外国人に対して自国民と異なる措置を取ったのは、G7の中では日本だけでした。想像がつくと思いますが、このことで日本の外国人ビジネスコミュニティーでは不満の声があがり、多くの議論を呼びました。日本に生活基盤を置く外国人に対する入国拒否措置の見直しを求めるネット署名活動では、1万1,000人もの署名が寄せられました。欧州ビジネス協会(The European Business Council)や在日米国商工会議所(The American Chamber of Commerce)などの国際ビジネス団体も、日本政府に方針を改めるよう訴えかけ、現在の対応ではアジアにおける安定した事業拠点としての信頼を失ってしまいかねないと強く主張しました。

このような声を受け、6月には制限の一部が緩和され、危篤状態の家族に会いに行く、親戚の葬儀に参列するなどの特定のケースが認められるようになりました。しかし、日本に住む外国人の多くは、そもそも最初に大きく異なる扱いをされたという事実に不安を感じています。私自身は、近いうちに海外へ行く予定はありません。ただ、一人暮らしの父がいるので、もし彼に何かあったときは、しばらくは戻れない覚悟で日本を離れなくてはいけないかもしれないと思うと気が気ではありませんでした。

日本で生きていく上では、常に自分が「部外者」であると自覚せざるを得ません。しかし、この違和感を再認識させられるに至った今回の対応は、本来なら日本にとってチャンスになるかもしれないタイミングで行われました。香港の国家安全維持法の導入により、金融センターとしての街の魅力が疑問視される中、多くの企業がアジアにおける地域本部を別の場所へ移すことを検討し始めています。今後流出する可能性のある外国企業を、いかにして東京に呼び込むかについて、日本の国会議員たちも議論を重ねています。しかし、海外の人材や企業からしてみれば、新しい場所に時間やお金、そして人生を投資するとなると、そこで公平な扱いを受けられるという保証がまず必要です。多くの外国人は、これまでの日本の対応からはそのような確証が得られないと感じているようです。これは日本にとって実にもったいないことです。

同じように流出の可能性があるもう1つの場所はベイエリアです。パンデミックによりオフィスの閉鎖を余儀なくされ、リモートワークが当たり前になったことで、多くの優れた人材がシリコンバレーから出ていくことを検討しています。シリコンバレーは家賃が高すぎる上に、テック企業の聖地としては有名かもしれませんが、暮らしやすさ関しては無名です。一方で、日本は住みやすさで知られています。そして、日本ではあまり知られていないことかもしれませんが、テック界には実はたくさんの親日家がいます。シリコンバレーのエンジェル投資家であるジェイソン・カラカニス(Jason Calacanis)も、シリコンバレーを去る人にとって日本は次の有力候補地になるという予想を先日ツイートしました。それはなぜかというと、テック界の多くの人たちが、日本のことが好きでたまらないからです。

日本に移住することには数多くのメリットがあります。食べ物や人、文化、安全など、どれも素晴らしく、多くの外国人にとって魅力的な移住先です。つまり、良いキャリアチャンスさえあれば、世界中から非常に優秀な人材が喜んで移住し、働きに来るでしょう。また、グローバルな人材プールにアクセスできるようになれば、大企業からスタートアップまで恩恵を受けることができるでしょう。しかし、カラカニス氏の予想がただのツイートではなく実際のトレンドになり、優秀な人材が旅行だけではなく移住してくれるようになるには、歓迎され、公平に扱われるという安心感を彼らに与える必要があります。

グローバルパンデミックの最中に移民政策について話すのはタイミングとしてどうかと思われるかもしれませんが、危機の際に外国人をどう扱うかが、彼らに対する最も強いメッセージになります。今、日本がするべきことはただ1つ、日本に生活基盤を置く外国人に対する入国条件を、日本人と同じ検査および隔離へと改め、彼らが帰国できるようにすることです。

ベンチャーエコシステム海外進出
James Riney

James Riney

Founding Partner & CEO @ Coral Capital

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