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レガシーな警察システムをアップデートする「Mark43」、海外注目スタートアップ紹介(5)

Coral Capital創業パートナーCEOのジェームズ・ライニー(James Riney)が紹介する海外スタートアップシリーズの第5弾は、警察署が使うITシステムをSaaSベースのソフトウェアでアップデートする「Mark43」です。2012年創業で、これまでに累計7780万ドル(約82.5億円)ほどを資金調達しています。

「アメリカの映画やテレビでFBIは、すごくカッコいい画面で操作情報を扱ってますが、実際にはそんなことはないんですよ。1990年代に作られたオンプレミスのシステム。しかも紙の書類も多いのが現実」(ジェームズ)

Mark43は、日本でいえば110番(米国なら911番)の緊急通報に対応する警察側のシステムをSaaSで提供しています。緊急通報に対して、すでに各警察署が持っているデータを組み合わせて、通報者の安全確保をするために過去の通報情報や犯罪履歴をダッシュボードに表示します。また、米国で提供されるAVL(Automatic Vehicle Locator:車両位置自動特定)やスマホからの情報を使って、現場近辺のパトカーや警察官の位置をGoogleマップ上に表示することもできます。どの通報に優先して対応するか決めて、実際に現場へ誰が出動するかを決定する、その業務を支援するシステムとして機能します。蓄積した情報からダッシュボードで犯罪データを分析するアナリティクス機能も提供しています。

Mark43はPCのブラウザ上で使えるほか、犯罪者や過去の事件データベースは、パトカーの中からモバイル端末でアクセスできるようになっているそうです。今どきのスマホアプリに期待することと同じで、端末の種類は問わず、また単一アプリで全てのデータにアクセスできるというのを売りにしています。今どきのSaaSらしく導入した警察署はAPIを公開することもでき、市民や民間企業が地域の課題解決に使う、いわゆるシビックテックへの道を開くこともできるようです。

日本の警察情報管理システムのスタートアップによるアップデートは可能か?

日本でもMark43のような警察のIT情報システムをアップデートするスタートアップにチャンスがあるでしょうか? 今回、Mark43を紹介するジェームズは「営業」(販売)が難しいもののチャンスはあるのではないかと言います。

連邦制を敷く米国では州ごとに運営がバラバラであるのに対して、日本は警察庁やを頂点としてトップダウンの組織となっていて、そこでは「警察情報システム」が稼働しています。指名手配被疑者、行方不明者、盗難車両、指紋データベースへの照会ができますし、Mark43同様に地図上に犯罪発生状況のデータを表示するといったこともできるようです。ただ、「警察情報通信の活動状況」や「警察情報システムの情報セキュリティ要件について」などの資料をみると、随所でレガシーなシステムが稼働していることがうかがえます。

Mark43のように緊急通報の第一報に対応するシステムに特化するなど、特定の切り口からならこの大きなシステムの市場に入り込めるでしょうか? Coral Capital出資先で行政サービスのデジタル化を推進しているグラファーは窓口業務という領域から地方自治体に切り込んでいてますが、そうした切り口が日本の警察向け情報システムでもあるかもしれません。自民党総裁選に立候補する菅義偉官房長官はデジタル庁の創設を検討していると報じられていて、日経新聞へのインタビューでは同庁設置を「最優先課題」とまで言っています。行政のデジタル化が加速への機運は高まっています。この事業領域で起業を検討中の方がいれば、ぜひCoral CapitalのフォームまたはジェームズのTwitterにDMで、ご連絡くさだい。

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