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SPACについて思うところ

本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「Some Thoughts On SPACs」を翻訳したものです。


ご存知の方も多いと思いますが、 SPAC(特別買収目的会社、Special Purpose Acquisition Companiesの略)がウォール街で大流行しています。SPACは上場している事業を持たない「空の会社」のことで、IPOで調達した資金を使って未上場の会社と合併します。

SPACは少なくとも30年前から存在していて、私はこれを投資先企業にとって流動性を得るための最後の手段として考えてきました。従来のIPOでは株式公開できず、M&Aの買い手も見つからない場合、SPACを検討するということです。

しかし、最近のSPACの流行を見て、考えが変わりました。SPACの台頭は、従来のIPOプロセスへの継続的な対抗の現れであり、これは大きな意味で良い流れであると思っています。

VCとして仕事をしてきたほとんどの期間、投資先のIPOを最大の目標としてきました。ウォール街の有力な投資銀行は、私たちの最も優秀なポートフォリオ企業に株式公開の打診をします。私はこれまでに数十社のIPOに携わってきました。

IPOの条件はかなり固定されていますし、多くのIPOはウォール街の有力銀行と彼らのバイサイドのクライアントにとって美味しいビジネスです。私は、他のVC業界の人たちほど、この状況をさほど不満には思っていません。有力銀行、VC、そして投資先企業の創業者やCEOにとってこれは相互に有益な関係だと考えてきました。

ただ、ここ数年で従来のIPO以外の選択肢が増えました。1つはダイレクトリスティング(直接上場)で、もう1つがSPACです。今の創業者やCEO、取締役会には、非公開企業を公開企業にするための選択肢が複数あるということです。

競争と選択肢があるのは良いことです。これは人生とビジネスのあらゆる面に通じることだと私は思っています。そのため、市場に大量のSPAC資金が投入されるのは、私たちの投資先企業を率いる創業者やCEOにとって良い状況であると考えています。株式公開をする際の選択肢が以前より増えるのですから。これはテック業界にとっても、VC業界にとっても良いことでしょう。

とはいえ、従来のIPOやダイレクトリスティングと比べ、SPACにもそれぞれ良い面と悪い面があると言えます。何があなたの会社に適しているかは状況によるでしょう。プライマリーキャピタルを調達する必要があるのか、セカンダリーの流動性がどれくらい必要か、上場したあなたの会社の「ストーリー」は株式市場の投資家にとってどれくらい魅力的か、どのくらい早く取引を開始する必要があるか、などの状況によるということです。

また、今は多くのVCやグロース投資家が独自のSPACを作って、資金調達をしています。これもまた、Union Square Venturesのようなファンドマネージャーがどのように資金を調達し、投資するかといった投資ビジネスにおけるダイナミクスの変化を表していると言えるでしょう。私は資本を調達、投資することに関しては、伝統的な方法を重じています。投資家(LP)との長期的な信頼関係を築き、調達した資金を増やして返すことを繰り返す小規模なVCファームのモデルを私は気に入っています。しかし、私とは違う考えを持つ人がいるのは大事ですし、これから彼らはVC SPACモデルで何か重要なことを起こすのかもしれません。いずれ結果がわかるはずです。人々がこのモデルでいろいろ試すのはいいことだと思います。私たち全員に新たな学びをもたらすでしょう。

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