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ユニコーン仲間入りのクラウド監視カメラ「Verkada」、海外注目スタートアップ紹介(6)

Coral Capital創業パートナーCEOのジェームス・ライニー(James Riney)が紹介する海外スタートアップシリーズの第6弾は、名門VCのSequoia Capitalも出資する法人向けIoT監視カメラを提供するスタートアップ「Verkada」です。創業は2016年で、コロナ直前の2020年1月にSequioia Capital、Felicis VenturesなどからシリーズCで8,000万ドル(約85億円)調達しています。このときのバリュエーションは16億ドル(約1,700億円)となりユニコーン企業の仲間入りをしています。

Verkadaの創業は2016年ですが、それ以前にコンシューマー向けの監視カメラではイノベーションが起こっています。ジェームスは以下のように背景を説明します。

「Googleは2014年に家庭向け監視カメラのDropcamと、スマートホームのNestを買収しています。これがGoogleのIoTプロダクトの土台になっています。何が新しかったかというと、クラウドのソフトウェアとハードウェアを組み合わせたことです」

「クラウドだからオンラインで簡単にアクセスできて、録画データにアクセスできます。Dropcamは、そこで課金するサブスクモデル。例えば何か動きがあったとき、そこに映っているのが犬なのかヒトなのかを見分けてスマホに通知してくれたりするんですね。DropcamはC向けで、これをB向けでやっているのがVerkadaです」

クラウドベースの使いやすい監視カメラ

今までの監視カメラに比べると、Verkadaは高機能です。

例えばビルのセキュリティー設定として「11時〜12時の間に配達がある」ということを事前設定しておいて実際に人物が映ったら通知が来るようにしたり、録画データの中から特定の顔だけを探したり、「オレンジ色のシャツを着ている人物」という検索ができます。ほかにも不法侵入者や不審者がいて通報する際に、その場で特別なURLを発行して、それを警察官にメッセして映像ストリームを共有するといった機能もあります。

どれも昨今の画像処理技術からすればできて当然ですが、米国も日本も監視カメラの世界はレガシーな技術のまま進歩が止まっています。

Verkadaのサイトにアクセスすると宣伝文句として「No NVR」と書いてあります。これはネットワーク・ビデオ・レコーダーのことです。現行の監視カメラ(IPカメラとも呼ばれます)はローカル環境に専用機材として大容量ハードディスクやSDカードを備えた録画装置と、それを駆動するためのサーバーを設置する必要があり、こうした機器は汎用のPCよりも高価だったりします。クラウドではないので録画時間に上限もあります(容量や画質により数日〜数か月程度)。

一方、Verkadaは120日まで過去にさかのぼって録画を見ることができ、そのUIも洗練されています。録画データは1時間ごとにチャンクとなっていて、そのカバー画像の上でマウスカーソルを左右に動かすと、それに応じて1時間の動画を早送り・巻き戻しして1時間の動画全体に映っているものをサッと確認できるといった具合です。

つまり、Verkadaは専用機器のままで遅れを取っていた監視カメラを、汎用のパソコンやクラウドで代替するタイプのイノベーションです。ファイアウォールやネットワーク関連の設定、あるいは録画のためのWindowsサーバーの設定といったエンタープライズ向けソリューションにありがちなレガシーなものと決別した扱いやすさもメリットだと言えそうです。

さて、監視カメラの日本市場でスタートアップは成立するでしょうか?

「Verkadaが日本展開しようと思えばできると思う。日本市場でスタートアップするならVerkadaと異なる独自の視点で展開するか、ファーストムーバーとして営業でシェアを取ることが必要かもしれません」

というのがジェームスの見立てです。

日本国内では大手のセコムをはじめ、パナソニック、ソニー、AXISなどが監視カメラを販売していますし、VCA(Video Content Analysis)と呼ばれる「映像解析技術」もNECなどがソリューションを提供しています。人物や顔を抽出するとか動体検知などのソフトウェア技術そのものはコモディティー化してきています。ただ、それをクラウドとアプリベースのモダンなUI/UXで提供するサービスというのは、まだ存在せず、こここには大きなチャンスがあるかもしれません。この事業領域で起業を検討中の方がいれば、ぜひCoral CapitalのフォームまたはジェームスのTwitterにDMで、ご連絡くさだい。

IoT海外スタートアップ
西村 賢

西村 賢

Partner, Chief Editor @ Coral Capital

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