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先行者「不」利益

本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「First Mover Disadvantage」を翻訳したものです。


誰よりも先に何かに取り組むことには非常に大きなメリットがありますが、多くの困難も待ち受けています。
昨日、家の中でスマートホームコントローラーとして使うため、iPadを数台セットアップしながら、このことを考えていました。
AppleのID管理やApp Storeのシステムは、別の時代に作られたように感じます。実際そうなのです。
Googleも新しい会社ではありませんが、同じ体験を比べると、目を見張るものがあります。
これは暗号資産でも見られることです。1つの暗号資産(ビットコイン)しかない時代に登場した会社は、複数の暗号資産がある今の時代でもソフトウェアが使えるよう、プロダクトを改良しなければなりません。複数の暗号資産がある時代に登場した会社は、創業初日から古い会社とは異なる視点で事業を作れるというメリットがあります。
先行者と後発者のどちらかを選ぶとしたら、私はやはり先行者を選びます。競合他社がまったくいなければ、市場で圧倒的な地位を築きやすいからです。
市場機会が特定され、複数の企業が市場の主導権を争うようになると、勝つのは難しくなります。
先行企業であるなら、次のことを理解しておく必要があります。
(1) マーケットリーダーとしての地位を確立すると、道は楽になるどころか、困難になります。
(2) プロダクトの開発運用と技術的負債が大きな課題となるため、一流のプロダクトチームとエンジニアリングチームを採用するための投資が必要になります。
(3) マーケットリーダーとしての地位を利用して、先行者からマーケットリーダーへと移行するためのバランスシートとチームを作る必要があります。
(4) 最高のアイデアの多くは、新興する競合他社から生まれます。競合のプロダクトを見て、インスピレーションを得ましょう(Facebookはこの点において優れています)。
動きの速い後発企業が先行企業に必ず勝てるとは限りませんが、それが過去30年間のテクノロジー、インターネット、モバイルの世界で何度も起きているのは確かです。
これは先行企業の経営力とリーダーシップの弱さが大きな要因となっているでしょう。
先行企業は市場を牽引する地位を維持することができ、実際そういう会社が多いです。しかし、これは多くの人が考えている以上に難しいことなのです。

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Editorial Team / 編集部

AVC

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