本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「A Range Not A Price」を翻訳したものです。
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投資家に対し、どのようにバリュエーションの期待値を伝えようかと悩む起業家は多くいます。
投資家は投資機会に本格的に時間を費やす前に、起業家がどの程度のバリュエーションを期待しているかを知りたいと思うものです。
とはいえ、起業家は弱気な交渉をしたり、バリュエーションを低く見積もったりしたくありません。
私は一緒に仕事をする起業家をはじめ、アドバイスを求める人にはいつもこう伝えています。「金額ではなく、価格帯を提案しましょう」と。
例えば、シリーズAラウンドの資金調達をしているとしましょう。目標としては、プリマネーでの3,000万ドルのバリュエーションで、600万ドルを調達したいと少し高めです。
とはいえ、これは強気なバリュエーションなので、ディールをまとめるには、いくらか低いバリュエーションを受け入れる必要があるかもしれません。
そういうときは投資家にこう伝えます。「400万ドルから600万ドルの間で調達したいと考えています。また、増資を含め、20%以上の希薄化は避けたいです」
投資家はこの発言から、起業家はポストマネーでのバリュエーションとして3,000万ドルを目指しているけれど、プレマネーでの評価額1,600万ドル、400万ドルの出資という条件なら受け入れるということを理解します。
また、「20%以上の希薄化は避けたい」という発言からは、プレマネーでの3,000万ドルのバリュエーションも視野に入れていることが伝わります。600万ドルの出資は約17%の希薄に相当するからです。
今度、投資家からバリュエーションについて聞かれたら試してみてください。うまく伝わるでしょう。
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Editorial Team / 編集部