出資オファーで競争に勝つこと
本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「Competing To Win」を翻訳したものです。
昨日の記事のコメント欄にこのような質問が来ていました(訳注:Union Square Venturesが求人情報の検索エンジンIndeedに投資した理由についての記事)。
JamesHRH:Union Square Venturesが提案したのは出資分の何%だったのですか?
fredwilson:すべてではありませんが、大部分にあたる割合です。
この質問を受け、他社と競合する投資案件の方がより良い投資案件なのかについて考え始めました。
私たちが投資を検討するほとんどの案件では、他のVCと競合することになります。
けれど、毎回ではありません。
私たちが唯一の投資家であることもあります。
その理由は、私たちが誰よりも早くその会社を見つけたからかもしれません。
あるいは、誰も投資をしたがらなかったからかもしれません。
そのような状況の投資で、私たちは毎回大きな成功を手にしてきました。
私は社会的証明をさほど重視していません。いかなる投資でもそれは意味のないことだと思っています。
なぜその会社に投資すべきか自分で説明がつかないのなら、投資すべきではないでしょう。
とはいえ、一流のベンチャー投資家になるためには、他社と競合する状況で案件を勝ちとらなければならないのは事実です。
そうした状況で勝てることこそ、一流のベンチャー投資家の証であると言えるかもしれません。
私がVCになり初めて入社した会社は、競合相手のいる案件を勝ち取るのに苦労していました。
会社にブランド力がなく、市場で強い地位を確立できていなかったのです。
その会社を辞めてFlatironを設立したとき、私はこれを解決することに専念しました。
Flatironでしたことを、Union Square Venturesでもしています。
勝ち取りたい案件を勝ち取れるようにならなければなりませんが、価格交渉だけではそれは難しいでしょう。
市場は多かれ少なかれ、関係者が需要に見合う価格に近づくよう働きかけます。そして、最後には起業家が投資家を選びます。
起業家が決断するとき、投資家は彼らのほしいものを何か持っていなければなりません。
それは投資家のブランドかもしれません。
情熱かもしれません。
人脈かもしれません。
きっとこれだけに留まらないでしょう。
つまり、起業家に出資をオファーし、選ばれることは、ベンチャー投資での成功において非常に重要なことなのです。
Editorial Team / 編集部