『大企業で働くべきか、スタートアップで働くべきかは、就活のときも転職のときもテーマになる話ですが、僕は「仕事をする上で、どこまでを自分で自由に決めたいか」で考えるのが良いと思っています。』
今回はホテル経営者のための無料の経営分析ツール「ホテル番付」と料金設定サービス「MagicPrice」を提供する、株式会社空の代表取締役CEO松村大貴氏による、「スタートアップで働くということ」に関するブログをご紹介します。
先日、500 Startups Japan主催のイベントに登壇させてもらい、同じようなテーマでディスカッションしました。スタートアップで働くことの魅力はなにか?大企業と何が違うのか?という議題。
一獲千金のチャンス!リスクもある分リターンも大きい!なんて話はほとんど出ず、どのような働き方なのか、どんなチームや文化なのか、といった質問が多かったです。ベンチャー企業のイメージもちょっと前とは変わってきてるみたいですね。
今日はこれ聞きに来た。#500career
大手企業出身の方の創業者の方のお話中心で面白い。
500 Career Fair 2019 New Year https://t.co/MhBCu3XnOX https://t.co/MgkbmVsVOw
— 小坂@アイスタイル人事/時々NPOタテイト活動 (@_kotakashi) 2019年1月26日
僕自身はもちろんスタートアップで働くこと、ましてや自分で起業することを選んだ人間なので、スタートアップ推しです。
ただ、誰しもにオススメできるわけではないですし、大企業とスタートアップという二択にもグラデーションがあるんですよね。小さかった企業がある日突然大企業になるわけではありません。創業に関わるのか、事業が確立してスケールするときに入るのかによっても違いますし、大企業にも規模や歴史に大きな違いがあります。
どこを選ぶのも自分次第。自分がいいなと思った企業にいけばいい、というのを前提として、迷ったら以下のように整理してみるのはどうでしょうか。
- 自分が働く上で大事にしたいことを考える
- 仕事のHow, When/Where, What, Who, Whyのどのレイヤーまでを自分で決めて働きたいかを考える(以下で解説します
- その自由のある規模やステージの企業を見つける
- 各レイヤーで自分に合っているかを確認してJoin!
仕事を成り立たせているHow, When/Where, What, Who, Whyのレイヤー
僕のイメージする仕事の構造を、図にしてみました。
人や企業によって順番は変わってくると思いますが、一例として。
Howは、決まった仕事を、どのように進めるかです。マニュアル通りに仕事を進めることを求められる企業もあれば、進め方は任せてくれる企業もあるでしょう。ただ、大企業でも比較的自分で決めやすいレイヤーかなと思います。
When/Whereは、いつ、どこで仕事をするかです。定型的な仕事や、顧客と対面する必要の多い仕事ほど、ここの自由度は小さいかもしれません。最近はリモートやフレックス制度など、このレイヤーが自由かどうかが企業の柔軟性を表すポイントとして注目されていますね。
Whatは、どんな仕事をするか、更に深めればどんな事業をするかです。組織立っていて、前任者がいるようなポジションであれば、仕事内容はしっかり規定されています。反対に、立ち上げ中のチームに入れば、自分で仕事を見つけて、役割を作っていくことになります。さらに初期のチームに入れば、どんな事業にするかも自分で決めていくことができます。
Whoは、どんな組織で、誰と働くかです。ここは、創業期のカルチャーや採用方針作りが大きく影響してきます。さらに、採用プロセスにも関われば、誰と働くかについて自分である程度決定できます。逆に、人事権というのは大企業では委譲されにくく、たとえ新規事業や子会社立ち上げでも、採用や人事制度は本社と一緒、という話もよくあります。
Whyは、なぜその企業は存在するのか、という存在意義の定義です。どんな組織になるかも、どんな事業をするかも、ここがベースになってくるので、後から簡単に変えることはできません。このレイヤーから決めていくには、多くの場合、創業メンバーの一員である必要があるでしょう。
上に行くほど、大企業でも自分で決めやすく、下に行くほど、スタートアップで創業期に近い時期でないと自己決定が難しいレイヤーになります。
ただ、決定の自由が増すということは、それに伴うリスクや責任も増します。ある程度確立され、安定した仕事に就けば、大きくブレることはないでしょう。自分で多くを決定するということは、それが的外れだったときのリスクも高く、マイナスのインパクトも大きく生んでしまう可能性があります。
(僕自身は、自分が好きだと心から思えることで100%生きていたいという性格なので、もっとも深いレイヤーから自己決定する起業家という道を選びました。その自由と責任の大きさがめちゃくちゃ楽しく、心地よいです。)
小さい自由で小さい責任と、大きな自由で大きな責任。この間のどのあたりが自分にとって心地よいか、幸せと感じられるか。
それを考えるのが、前述した、
- 自分が働く上で大事にしたいことを考える
- 仕事のHow, When/Where, What, Who, Whyのどのレイヤーまでを自分で決めて働きたいかを考える
のステップかな、と思っています。
ちょっとだけ、僕の想いと告知
上に書いたように、どんなステージの会社を選ぶのも自分に合うかどうかで、そこに良い悪いはありません。ただ、やっぱり今の時代は、深いレイヤーまで会社を信じられることが大事なんじゃないかと、僕自身は思います。
会社の存在意義やビジョンに強く共感できるか。一緒に働く仲間たちは、信じ合える、価値観を共にする人たちか。取り組む事業は、社会にとって大きな価値があると信じられるか。
創業に近い時期にJoinして、こうした深いレイヤーを決めるところまでぜひ一度は関わってみてほしいと思いますし、今ある会社に入るなら、一番深いレイヤーまで本当に信じられる会社かを確かめてみてほしいと思います。
ちなみに、株式会社空では、What:事業のレイヤーから決定できる、事業責任者候補を募集しています。当然その上のレイヤーはあなた次第ですし、どんな組織にしていくかも相談に乗れます。
気になった方はこちらのリンクか、僕へのDMで気軽に相談してください。
まとめ
大企業で働くべきか、スタートアップで働くべきかは二択ではない。あなたに合っていれば、どっちでもいい。ただ、あなたがどこまでを自分で決めて働きたいか・生きたいかを考えて選んでおけば、どんな結果になっても後悔少なく、納得していけるんじゃないかな。
そんな考えをまとめてみました。
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Editorial Team / 編集部