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スタートアップの売却における主要な問題 ⑸タイミング

本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」のMBA Mondaysというシリーズの投稿を翻訳したものです。今回は第6回目としてスタートアップのM&Aを取り巻く、主要な問題の一つ「タイミング(原文:Timing)」についてご紹介します。また、記事公開にあたり、プルータス・マネジメントアドバイザリーに日本での実務の観点からコメントいただいています。

これまでの記事は下記よりご覧いただけます。


これまでM&Aの問題について取り上げてきましたが、今回は別の点を取り上げたいと思います。今回はタイミングについてです。すなわち、売却取引に関する最初の本格的な会話からクロージングまでどれほどの時間をかけるべきか、ということです。

私が見てきた中では、買収が1週間で完了したケースもありましたし、最初の本格的な会話からクロージングまで1年以上かかった買収もあります。断言できるのは、買い手が時間をかけたいと考え、彼らにとってそれが許される状況なら、そうなってしまうということです。

買い手が皆、時間をかけたいと願うわけではありません。買い手の多くは、できるだけ早く取引を完了させたいと願っています。その場合、売り手と買い手の目的は一致していますから、取引は迅速に完了します。

売り手は通常、取引を迅速に完了したいものです。これは当然のことです。事業の売却はリスクをはらんでいますし、精神的に疲れるものです。いったん売却を決めたなら、熱心かつ綿密で、理性的でありながらもできるだけ迅速に事を進めなければなりません。

本格的な会話から6週間で完了というのは速い方です。もし会社が「クリーン」で買い手が迅速に完了したいという気になっていて、政府許可を必要としないなら、そうすることは可能です。

3ヶ月を超えるというのは少々長いという印象を受けます。売却プロセスが会社にとって重荷となり始め、チームや事業に影響を与えて、長期的な問題につながることもあります。チームメンバーは落ち着かなくなります。転職が始まります。顧客はうわさを聞き、代替案を考え始めます。上層部は集中力を失います。会社が苦しむのです。

完了に時間がかかるという理由(政府許認可、買い手の承認、デューデリジェンスなど)があるなら、完了に向けて双方に義務を負わせて完了に至らなかった場合の救済策(解約料を含む)を規定する明確な合意に署名するというアプローチを取ることができます。株主の承認を必要とする公開企業については、しばしばこの方法で取引が成立します。

タイミングに関連するもう1つの重要な問題は、情報が漏れるということです。プロセスが長引けば、それだけ情報は漏れやすくなるでしょう。現実として、ほとんどの取引は漏れるものですが、取引完了の妨げになることは稀です。プロセスにさらなる買い手が加わって競争が激しくなり得るため、買い手は情報が漏れるのを嫌います。とはいえ、ほとんどの売り手も「静かな」プロセスを好むはずです。売却についてのおしゃべりは少なければ少ない方が良いと私は思います。

理にかなった範囲内で、迅速なM&Aプロセスを行うことに私は賛成します。必要なデューデリジェンスや法務には時間がかかるでしょう。1日で取引を行うのは一般的に良いアイデアではありません。6週間で取引を行うのは望ましいことですし、目標とすべきことです。3ヶ月を超えるというのは多難である可能性が高く、副次的な影響を管理するためにとてつもない経営努力が必要となることでしょう。もしあなたが売り手であるなら、基本合意書にクロージングの時期を明記し、買い手がその期限に間に合うようにできるだけのことをすべきです。そして、もしあなたが買い手なら、迅速に完了したいという売り手の意向を尊重し、実現に向けて邁進すべきです。

(監修注:M&Aのプロセス全般を、M&Aアドバイザーに依頼することで、こうした煩雑な作業や情報漏洩のリスクを逓減できる可能性が高まることがあります。)

AVCM&Aデューディリジェンス

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