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世界の不動産テック業界のトレンド 2019

Compass(エージェント支援)Opendoor(不動産買取再販)をはじめとするユニコーン企業が代表する様に、不動産テック(不動産×テクノロジー、Real Estate Tech)分野におけるスタートアップへの投資額は年々増加している傾向にあります。下記の、世界の不動産テック資金調達額の推移を示したグラフからもわかるように、2013年以降、急激に不動産テック分野への投資額が増加しており、2018年11月時点では44億ドルに達しています。

世界の不動産テック資金調達額
Source: ビジネス+IT (https://www.sbbit.jp/article/cont1/36275)より Coral Capital作成

旅行の際の宿泊先の選択肢として一般的になったAirbnbの評価額は300億ドルを超え、上々間近と言われています。実際に2019年1月にAirbnbは2年連続でEBITDAベースでの黒字化を達成したと発表しています

また、上場後(2011年に上場)も順調に成長を続ける不動産情報サイトのZillowもこの不動産テック分野への期待を牽引していると言う事が出来るでしょう。

さらに海外のスタートアップに巨額の投資を行っているソフトバンク(及びビジョンファンド)も、コワーキングスペースを展開するWeworkに80億ドル出資し、2019年1月には新たに20億ドルの出資を発表しています。WeWorkは日本に置いて、2018年から展開を開始し、現在では東京や大阪、福岡など国内26拠点を展開しています。

またソフトバンクは、インドのホテル予約サービスOYOに出資。日本においては2019年3月にソフトバンク傘下のヤフージャパンと合併会社のOYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPANを設立し、スマホから入居予約から退去までできるアパートメントサービス「OYO LIFE」を開始。2019年4月よりソフトバンク及びソフトバンクビジョンファンドとの合弁会社OYO Hotels Japanを設立し、日本でホテル事業を開始することを発表しました。この事から国内でも不動産テック分野への期待が集まっています。

アメリカ不動産テックスタートアップのカオスマップ
Source:Medium (https://medium.com/@coichikawa/最新版-アメリカ不動産テック-カオスマップ)

不動産テックの分野としては、マーケットプレイスや業務支援等が主に挙げられます。

マーケットプレイス関連

マーケットプレイスは主に不動産の仲介、エージェントの仲介、不動産に関わるサービスの仲介の3カテゴリーに分類する事が出来ます。以下にそれぞれのカテゴリーに属する成長企業を紹介しています。

1) 不動産の仲介
REDFINは不動産売買の為のオンラインプラットフォームを提供しています。低い手数料と相場よりも高い価格での販売実績も多く、人気を集めています。サイト上で 3D画像による物件の確認や、Facebookとの連携により買い手側の使いやすさも充実しています。単純にサイトに不動産を掲載するだけでなく、エージェントのサポートもあり、REDFINを通して不動産売買を完結する事が可能となっています。2007年に上場を行いました。

2) エージェントの仲介
HomeLightは不動産販売のために近辺の優秀なエージェントを検索するためのプラットフォームを提供しています。不動産販売の為には内覧や契約などの様々な手続きがあり、優秀なエージェントの場合、スムーズにかつ高値での取引をしてくれる事からこの様なサービスもアメリカで発達しています。また、Simple Saleというサービスにより、48時間以内にエージェントへ直接販売するためのオファーを受ける事が出来るサービスも提供しています。

3) サービスの仲介
Houzzは不動産に関わるサービスを提供している専門家を検索するプラットフォームを提供しています。リフォームをする為の建築家やデザイナーのみだけではなく、造園や収納アドバイザー、ハウスクリーニング等幅広く紹介しています。また、それぞれのレイアウトに合わせた家具や雑貨もサイト内で販売しており、不動産に関わる総合的なプラットフォームとなっています。日本でもサービスの提供を開始しています。

業務支援関連

不動産に関連する業務は契約や建物の管理、借主とのやり取りの様に多岐に渡り、その業務を支援するソリューションの提供も活発になっています。業務支援のカテゴリーはバックオフィス、エージェント業務、後工程の主に3カテゴリーに分類する事が出来ます。以下にそれぞれのカテゴリーに属する企業を紹介しています。

1) 物件の販売・管理のバックオフィス
appfolioは不動産業者向けに、所有している不動産の販売や管理を一括して行う事が可能な管理ソフトを提供しています。また、販売収益予測や修繕管理、借主とのやり取りなども行う事が出来るので、appfolio上で様々な業務の管理を一括して行う事が可能となっています。2015年に上場を行いました。

2) エージェント業務
RICOHの子会社であるRicoh Innovations CorporationがRICOH Toursというカメラの撮影技術を活かして、360度バーチャルツアーを可能にするサービスを提供しています。様々な企業が不動産の情報をサイトに掲載する中で、VRで事前に部屋の様子等を確認する事が出来、不動産内覧の新しい形を生み出しています。

3) 契約業務
Qualiaは煩雑になりがちな不動産の契約をオンライン上で完結出来るプラットフォームを提供しています。また、契約に関するタスクを管理する為のダッシュボードも提供しており、Qualiaを利用する事によって、不動産に関わる様々な業務を一括して管理する事も可能になっています。実際にアメリカの不動産関連の取引で1割がQualiaを利用している実績があります。

上記で紹介したように、不動産業界で扱う業務は多岐に渡るため、様々な分野においてチャンスが眠っている可能性があります。

次に不動産テック業界に挑む、最近新たに最近立ち上がったスタートアップをご紹介します。

DEALPATHは不動産投資や開発企業向けのタスク管理プラットフォームを提供しています。不動産の写真の登録や契約日のリマインド、関連業者への連絡等を一括して管理する事ができ、複雑なワークフローになりやすい不動産関連業務において、タスク管理を効率化し、実際に生産性を50%向上させたという実績もあり、既に$8Mを調達しています。

IRISVRはVRデバイスを活用して、建築物の設計図の3D化や完成イメージをリアルに体験出来るソフトウェアを提供しています。実際にその場にいる様な体験をする事により、遠隔にいる人同士でも共同で設計図の確認や完成イメージを共有でき、これまで以上に作業の効率化が可能となっています。

この様なこれまでになかったテクノロジーを導入する事によって、不動産業界に新たなマーケットが作られる例が次々と起こっています。不動産業界は昔ながらの慣習などから非効率のままであり、テクノロジーの導入が遅れている分野もたくさんあるのではないでしょうか。そういった事からもスタートアップに期待が集まり、今後も投資額が増加する傾向にある可能性が高いと言えます。

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