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「値下げできへん?」に戸惑う関西スタートアップ営業の醍醐味とは―、大阪WeWorkで議論

Coral Capitalは9月3日、「関西のスタートアップ営業キャリア〜有力スタートアップ4社が語る」と題して、大阪・御堂筋フロンティアにあるWeWorkでキャリアイベントを開催しました。登壇したスタートアップはSmartHRKURASERUKAKEHASHIPaymeの4社。平日夜7時からのスタートであるにも関わらず、80人を超える参加者にお集まりいただき、パネルディスカッションや質疑を通して「関西でスタートアップすること」「関西独特の難しさ」「これから立ち上げる支社に飛び込む醍醐味」などを語りました。

挨拶代わり? それとも本気? 根強い値切り交渉文化

イベントはスタートアップでの営業というキャリアに関心を持つ人がターゲット。登壇4社の自己紹介や議題にそった話がありましたが、会場で盛り上がったのは、やはりこの質問。

「関西と関東で何が違いますか?」

給与先払いサービス「Payme」の執行役員で事業責任者の仲川英歩さんは、営業中の雑談の多さが関西の特徴の1つと言います。

「営業していると雑談が多いですよね。いい感じの商談なのに、ふと『仲川さんは東京の人ですか? そうですよね』と言われて、ぐさっと来たことがあります(笑)」(仲川さん)

関西では、まず双方で関係性を構築してからという商習慣が強く、自分の商談の進め方がドライなものに受け取られたのではないか、という心配でしょうか。この日、パネルディスカッションでモデレーターを務めたSmartHR執行役員・関西支社支社長の大辻昌秀さんも、言葉や文化面での違いを気にした経験があるといいます。

「すぐに言葉の違いはバレますよね。きれいな言葉しゃべるねぇって、さりげなくdisられたことがあります(笑)」(大辻さん)

言葉の違いは愛嬌ですが、参加者が一様に深く頷いたのが「値下げ交渉の文化」についてです。

「関西独特の商習慣といえば、これは明確にあります。値下げ文化です。すぐに値下げできないかと聞かれます。でも建前と分かっているので、いったん持ち帰りますって言うだけですけどね(苦笑)」(仲川さん)

これに対して、薬局向けSaaSを提供するKAKEHASHI大阪エリア営業責任者、東原圭佑さんは、少し驚いたように、

「うちはすぐ下げちゃいますね」

と応じました。すると間髪をいれずにPaymeの仲川さんが、

「あ、それは駄目ですよ!(笑)」

と諌めるような場面もありました。SmartHR大辻さんによれば、挨拶代わりのような感じで値下げしてくれと言われることが多く、それが挨拶なのか本気なのか、そのへんが良く分からない難しさがあるという話でした。

関西でスタートアップをする良さ

一方、関東も関西もあまり変わらないというのが、地元神戸で入退院連携プラットフォームを展開するKURASERU代表の川原大樹さんです。むしろ関西でスタートアップすることのメリットを語ります。

「関東であろうと関西であろうとユーザーのペインは変わらないと思っています。KURASERUのサービスはもともと全国展開を見込んでいますが、行政からの支援や人材採用の面で考えると、関西発で事業展開していくメリットは大きいですよ」(川原さん)

関西はスタートアップの数が比較的少なく、採用面でも東京ほど人材の奪い合いが激しくないといいます。

SmartHRの大辻さんの指摘で興味深いのはSmartHRが大阪支社を開設するに至った理由です。

「東京でも(関西の顧客向けに)オンライン商談はやっていました。ただ、1年ほどやってデータを取ってみたら、明らかに訪問営業のほうが案件が取れるというのが分かったんです。それまでは大阪で開催されるHR Expoのときに訪問するだけでした」(大辻さん)

つまり、営業で市場開拓する余地が大きいということです。潜在市場として有望で、かつ立ち上げ期の支社、もしくは関西発スタートアップにジョインする醍醐味としてパネリストが口を揃えるのが、まだ仕組みのない小さな組織で仕組み自体を作っていけるという点です。

KURASERUの川原さんは、「まだセールス部門が立ち上がっていません。そこを構築できるトップバッターになれるのは醍醐味かなと思います」と言い、Paymeの仲川さんは「今なら支所長にも営業責任者にもなれる」と言います。スピード感も相当なもので、「大阪に来たときは1日5件、週に25件は訪問をやっていました。パートナー企業とのアライアンスなど、セールス以外もある。どんどん人に任せていきたい」(仲川さん)

昨年10月から関西支社立ち上げを始めたものの、「3か月を1年と思え」という勢いで、最初の3か月は自分でビジネスを開拓し、次の3か月で人材採用、その次の3か月で人に任せられるようにした、という形で進めてきたと、仲川さんは言います。

KAKEHASHIの東原さんは、大手企業での営業経験と比較して「大きな会社の中では決められた戦略の中で、その一部を担うということになりがち。一方、スタートアップの良さは自分が売りたい商品を売りたいタイミングで売れること」と話します。また、立ち上げ期であることから、「戦略策定の部分にも関わりながら自分だけでやるのではなく、優秀な人を集めて売れる仕組みを作ることが大切」と組織作りの必要性や醍醐味を指摘します。

日本でスタートアップといえば、その多くが東京に集中しています。しかし、経済圏としては関西はオランダを凌ぐGDP規模。関西在住・出身でスタートアップでのキャリアを考えている人は、絶賛人材募集中の4社に連絡してみてはいかがでしょうか。

Coral Capitalでは、今回登壇いただいたSmartHR、KURASERU、KAKEHASHI、Paymeをはじめとしたスタートアップと、そこでのキャリアに興味がある方を繋ぐ “Coral Community” というコミュニティを運営しています。毎月Coralが開催するスタートアップイベントの情報や、投資先スタートアップとのカジュアル面談の機会の提供など、中長期的にスタートアップでのキャリアを検討する上で役立つコミュニティになっています。ご興味がある方は、ぜひこちらから詳細をご確認ください。

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津田 遼

Talent Manager @ Coral Capital

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