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資金やエンジニアが足りないと嘆くのはやめよう

本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「Resource Constraints」を翻訳したものです。


一緒に仕事をしているほとんどのスタートアップから私が聞くのは、リソースによる制約があり、資金とエンジニアが足りず、やりたいことが全部できない、という話です。

それは恵まれたことで、呪いなんかじゃないよ、と私は言っています。

すると私は非常識扱いされ、私が実践者ではなく投資家だから、そういう考えになるのだと納得されてしまいます。

確かに、私はその両方(非常識で、かつ投資家であること)の指摘を認めます。しかし、素晴らしい経営者の下ではリソースの制約はむしろ恵みなのだと、私は確信をもって言えます。

これまで私は、資金ゼロの小規模チームが、とても素晴らしいことを成し遂げるのを見てきました。

一方、資金が潤沢で数百人ものエンジニアを抱える企業が、全く何もしないところも見てきました。

テック企業やスタートアップに30年以上に身をおいて培った、こうした観察から、素晴らしいことをする上でリソースが制限要因になることは決してないと確信するに至りました。

制限要因というのは、次のようなものです:

  1. 正しい判断をして、実行を促進することができる、素晴らしい経営陣を持つこと
  2. すべきこと、すべきでないことが分かっていること
  3. 他人の土俵ではなく、自分の土俵で戦うこと

利用可能な資金や人の数といったリソースが増えることによって、難しくなるのが2番と3番です。

リソースがあると、自分たちができること、あるいはすべきこと以上のことが可能である気がしてくるものなのです。

羨望の眼差しで周囲を見回して、競合他社の資金調達やエンジニアチームの規模が気になるようになります。

自分たちが何者であるのかを忘れてしまうのです。つまり、死です。

過剰な資金によって会社は弱体化し、フォーカスもぼやけるのだと、私は考えています。

逆に資金が限られていると、企業は強く、フォーカスもシャープになると思います。

そして私は、企業が市場で勝ち抜く上で、資金量が役に立ったことなどないと考えています。役に立たせようとした企業も多くありますが、必ず悪い結果に終わっています。

だから起業家の皆さまには、リソースの制約を受け入れて、制約の中で経営することが好きになるようにと、お勧めしています。

それはいつか、きっと役に立つことでしょう。

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Editorial Team / 編集部

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