本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「Why Positive Cashflow Matters」を翻訳したものです。
VCから出資を受けているスタートアップは、プラスのキャッシュフローと奇妙な関係にあります。出資者はスタートアップが損失を出すことを理解し、容認しているため、長い間、赤字経営を行う傾向にあるのです。
立ち上げ初期ならキャッシュを使うことは理に適います。売上がなければ、キャッシュは生まれません。そして売上を増やすより先に投資をしないと収益が上げられないとしたら、赤字で会社を経営しなければなりません。
しかし、利益を代償にグロースへ投資する癖は身体に染み付いてしまうものだと私はこれまで度々感じてきました。この癖は、変えるのが難しい習慣になってしまうことがあります。
プラスのキャッシュフローがあれば、資金調達のタイミングと条件をコントロールすることができます。
プラスのキャッシュフローがあれば、あなたとあなたの会社の役員が適正価格を下回っていると感じる自社株が市場に出回った場合、それを買い戻すことができます。
プラスのキャッシュフローがあれば、それを保証に他の会社を買収する資金を借りたり、必要な資金を調達したりすることができます。
プラスのキャッシュフローがあれば、ますます高くなりつつある株式によるインセンティブの代わりに現金のインセンティブを提供することができます。
他にも理由はありますが、私の言いたいことは分かってもらえたのではないでしょうか。プラスのキャッシュフローがあれば、資本市場ではなく、あなたが会社のコントロールを握れるようになるのです。
そして、これはとても重要なポジションで、成功しているテック企業でも、できればそういうポジションにいたかったと考えているところがいくつもあると思います。
Editorial Team / 編集部