本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「Investments That Don’t Work」を翻訳したものです。
昨夜、Turntable.fmと非常によく似たゲームをプレイしている夢を見ました。ソーシャルな音楽体験を作ろうとしたTurntable.fmは、2011年に一時人気を博したものの、失敗しています。私はUnion Square VenturesでTurntable.fmに出資していました。夢の中で、誰かがTurntable.fmと同じ内容のゲームを作っていました。このゲームは、2011年当時のTurntable.fmと同じくらい楽しいものでした。新しいゲームを作った人たちは、すでにベンチャーキャピタルから資金調達し、事業化するということでした。そのゲームの創業者に会い、私は彼らの成功をうれしく思いました。そこで目が覚めました。
うまくいかなった投資は、なかなか忘れることができません。お金を失ったからではありません。そこは受け入れられるようになりました。VCの世界では避けて通れないからです。そうではなく、負けたという思いが心に居座り続けるのです。他の可能性があったかもしれないとか、「もし違うやり方をしていたら」という思いです。
良いアイデアはいつか実現し、成功するでしょう。うまくいかない投資は、たいていアイデアを形にするところで失敗しています。なので、あなたのアイデアが失敗した後に他の誰かが現れて、あなたと同じアイデアで成功することがあるのです。スタートアップの世界ではよくあることです。そして、それを目の当たりにするのは辛いことです。
私はキャリアの中で何度か燃え尽き症候群に陥ったことがありますが、それはいくつか手痛い失敗を重ねたときに起きます。他の人も同じ経験をしているのを見てきました。心血を注いだものがうまくいかないのは辛いことです。それにかけてきた時間や熱量が多いほど、苦しみは深いでしょう。
私は他のことに目を向けることで、こうした燃え尽き症候群から抜け出しました。2013年、2014年は仮想通貨に目を向けたことで、この頃に患っていた燃え尽き症候群から抜け出せています。仮想通貨は私にとって全力で取り組める、これまでとは違う新しい分野で、これはうまく行きました。
「振り落とされた馬に再び乗る」という古いことわざの通りです。私は乗馬はしませんが、このことわざには同意します。失敗につける最高の薬は成功です。そして成功するには、何度でも成功へと向かい続けなければならないのです。
Editorial Team / 編集部