ビジョナリーリーダーとオペレーショナルリーダーの違い

本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「The Vision Thing」を翻訳したものです。Fred Wilson氏による過去の翻訳記事の一覧は、こちら


著名な起業家からベンチャーキャピタリストに転身した人(私とこのような話をしたことを彼は知られたなくないかもしれないので名前は伏せておきます)が以前「創業者を外したら、その会社は2、3年以内に売らないと価値が下がる」と言っていました。

私はこれに全面的に同意しているわけではありませんし、私の経験から言えば事実ではないのですが、リーダーシップについて非常に重要なテーマを提起していると思います。

私は物事をシンプルに考えたいタイプで、その観点から言うと、リーダーシップにはビジョナリーリーダーシップとオペレーショナルリーダーシップの2種類があると考えています。創業者のほとんどはビジョナリータイプで(そうでない場合は早めに退散しましょう)、雇われCEOはほとんどの場合、実務が得意なオペレーショナルタイプです。

このVCが言いたかったのは、ビジョナリーリーダーをオペレーショナルリーダーに替えると、その会社のイノベーションは止まり、価値を失い始めるということであると思います。イノベーションをやめた会社の価値は下がる、という点には完全に同意します。ただし、オペレーショナルリーダーシップとビジョナリーリーダーシップの両方を持ち合わせているチームは存在しますし、実際そのようなチームを私は見てきたので、その点で同意していません。

両方のタイプのリーダーシップを発揮できる特別なリーダーは少ないですが存在します。そんな人を見つけたら、その人のバスに飛び乗って、できるだけ長く一緒にいることをおすすめします。きっと素晴らしい旅になるでしょう。

また、ビジョナリーリーダーとオペレーショナルリーダーを組み合わせることもできますし、それが長期に渡って非常にうまく機能するのを私は見てきました。多くの場合、ビジョナリーリーダーが会社を取り仕切り、オペレーショナルリーダーが日々のビジネス運営を担います。それは取締役会長(ビジョナリー)とCEO(オペレーター)の場合もあれば、CEO(ビジョナリー)とプレジデント/COO(オペレーター)の場合もあります。一般的には、ビジョナリーリーダーが創業者で、オペレーターが雇われた経営陣であることが多いでしょう。

アーリーステージの小さな会社は、オペレーショナルリーダーシップがなくても成功できますが、長くは持ちません。なので、ビジョナリーとして優れていて、オペレーションが苦手な創業者でも、しばらくの間はうまくいきます。しかし、社員数が数百人、数千人規模になると、オペレーショナルリーダーシップが必要になってきて、ここで多くの創業者がつまづくのです。そしてそのタイミングでオペレーショナルリーダーを採用し、その会社にぴったりの長期的に持続可能なオペレーションモデルを見つける作業が始まります。

創業者の中には、まれにオペレーションもできるビジョナリーリーダーがいますが、ほとんどの創業者はそうではありません。そのため、ビジョナリーとオペレーターの適切な組み合わせを見つけることが非常に重要で、会社の取締役会はスタートアップの創業者や経営陣と一緒にこれを見つけようと力を注ぐのです。

冒頭に書いた友人の話に戻すと、オペレーショナルリーダーシップだけではスタートアップの仕事が務まらないのは事実です。また、オペレーショナルリーダーがボトムアップで「ビジョン」を引き出すのが難しいというのも真実です。ビジョンはトップから出てこなければならないのです。オペレーショナルリーダーシップから出てくるものでは、残念ながらありません。

(Fred Wilson氏による記事の翻訳一覧はこちら

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