本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「Blinking」を翻訳したものです。
2005年、マルコム・グラッドウェルは著作『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい(原題:Blink)』で、私たちは無意識の働きにより、素早く決断した場合でも、時間をかけたときと同等かそれ以上の良い選択ができると説明しました。
私は昨晩、この10年でベンチャーキャピタルの仕事がどう変わったかについて知人と話をしていました。昔は投資の決断をするまで数週間、場合によっては数カ月の猶予がありましたが、今では数日、よくて1、2週間しかありません。
とはいえ、ベンチャー投資と意思決定の期間は劇的に短くなっても、少なくとも今のところは投資先の質に悪影響は出ていません。むしろ良くなっている可能性さえあります。
私の話を聞いていた女性は「マルコム・グラッドウェルが著作で説明していたように、ですね」と言いました。その通りです。
また、USVでは意思決定に関連して行っていることがあります。私たちはどんな会社に投資したいのか、なぜそうした会社に投資したいのかをお互いに共有し、理想的には世界に伝えるための時間を定期的に取っています。
私たちが「仮説立案」と呼ぶこの作業が、時間と情報が限られている中でも素早く意思決定するのに役立っているのです。
慎重に考え抜いた投資ができない今の状況を嘆きたくなるのはわかりますが、私の知る限り、少なくともアーリーステージのベンチャー投資に関しては、昔のように戻ることはないでしょう。なので、私のパートナーであるブラッドが言うように、市場に適応することに時間を使い、素早く意思決定、行動することを心がけてはどうでしょう。
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Editorial Team / 編集部