Coral Capitalは1月、「企業のDXを進める注目スタートアップ10社Pitch」というオンラインイベントを開催。投資先の10社が集結し、それぞれ5分という持ち時間の中で自社サービスの概要と事例についてピッチしました。
本記事では、外部からモノやサービスを購入する「調達領域」のDXに特化した「株式会社Leaner Technologies」の山下翔平氏によるピッチの内容をお伝えします。
株式会社Leaner Technologiesは調達領域のDXを専門にするスタートアップです。我々のボードメンバーは、もともとA.T.カーニーというコンサルティングファーム出身で、まさにコンサルタントとして調達のDXや調達改革、コスト改革を主導してきた経験があります。
日本中のベンチャー企業が集まる「ICCサミット スタートアップ・カタパルト」というイベント(※)で2020年に優勝したり、東洋経済さんやForbesさんにも取り上げていただいております。
※注目のスタートアップ企業14社が7分間のプレゼンテーションを行い、第一線で活躍する審査員24名の投票によって最注目のスタートアップを選出する、国内最大級のピッチイベント
経営インパクトの大きい「調達領域のDX」に特化
本日は「これだけは覚えて帰っていただきたい」というポイントを3つにまとめました。
まず第一に、Leanerは調達領域のDXに特化した全く新しいクラウドサービスであるという点。
第二に、業界でいうと製造業、ゼネコン、飲食、ホテルなど、幅広い業界で導入実績があるという点。
最後に、調達コストというのは企業のコストの70%を占めるため、DXの対象領域としても非常に経営インパクトが大きい領域であるという点。
売り上げから利益を引き、そこからさらに税金や人件費など簡単に削れないコストを除くと、だいたい全業種平均で調達コストは60%〜70%を占めます。
ゆえに、単純に企業の利益率を向上させるという観点でも、調達プロセスの改善に取り組まない理由はないのではないかと我々は考えています。それでは、「調達をDXする」とはどういうことなのでしょうか。
アナログな調達プロセスの課題とは
そもそも、アナログな調達プロセスだと何が問題なのかをご説明します。例えば、何か物を仕入れて加工して売っているような企業だと、原価率がすごく上がってしまうので、競合企業に対して売価が高くなって競争に負けてしまいます。
また、そもそも調達コストが膨れ上がってくると、利益がどんどん圧迫されてくるので、将来への投資ができなくなります。
さらに、調達活動の中で不正取引や下請法違反が出てくると、コーポレートガバナンスが悪化してしまいます。
そういった点を踏まえると、アナログな調達プロセスを放置するのは経営上の致命的な課題になり得ると我々は考えます。
調達領域のDXで遅れをとる日本
日本の調達領域の現状としては、課題が2つあると思っています。
まず第一に、プロセスの課題。そもそもLeanerのようなクラウドサービスがかなり少なく、メール・FAX・Excelなどアナログな業務プロセスが残っています。ゆえに、データを利活用する準備が整っておらず、業務が属人化しがちです。
第二に、経営の課題。調達・購買を専任で管掌する役員が設置されている会社は、とても少なく、全体の20%未満です。また、コストを決定するまでのプロセス(ソーシング)への投資が少なく、コストが決定した後の支払いや会計システムに入力するところ(パーチェシング)にリソースが寄っています。
翻ってグローバルを見てみると、調達領域のDXや支出管理のDXは当たり前になってきているんです。さまざまなソリューションが出てきているので、ここの領域を放っておくと日本企業全体の国際競争力の低下にも繋がりかねないと我々は思っています。
無駄が多い調達業務のコストを徹底的に削減
Leanerの業務についてざっくりと一言で説明すると、まるごと調達業務をDXします。発注する会社さんとモノを売る会社さんのやりとりは、従来であればFAXや電話、メールやExcelでした。それが、すべてLeanerというクラウド上でやりとりできるようになります。Leanerを使えば、自動でデータを蓄積しますし、誰でも簡単に徹底的なコスト削減が可能になります。
以下は一部の機能です。
見積データが自動で蓄積され、同じフォーマットでデータが残るため、比較や検索が簡単に行えます。
また、サプライヤーとのやりとりをチャットに一元化することで交渉履歴も残り、ナレッジの蓄積や案件の引継ぎ、管理職から部下に対してフィードバックを行うことが簡単になります。イメージとしては、営業管理用のSalesforceの“調達版”みたいなイメージをしていただければいいかなと思っています。
導入実績ですが、サービスローンチをしてから約1年半が経ち、大手企業様を中心に40社以上で有料導入いただいております。
近しい企業様がありましたら、そこの事例もお伝えできます。ぜひLeanerまでご連絡いただければと思います。本日はありがとうございました。
Editorial Team / 編集部