本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「Founder Vesting」を翻訳したものです。
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創業者株式のべスティングとはつまり、一定期間(通常は4年間)をかけて順次、株式を創業者に付与する条件をつけることです。
投資したいと思う会社に出会い、その会社のキャップテーブルや書類を確認すると、べスティングが設定されていない株式が創業者に付与されていることがよくあります。そのような場合、私たちは投資の一環として投資先に、創業者株式のべスティングを求めます。シードラウンドの場合が多いですが、たまにシリーズAラウンドでもあります。
創業者株式のべスティングを求めるのは、早い段階で創業者の1人が退職してしまった場合、他の株主、特に残された創業者にとって不公平な状況になるからです。私はそのような会社を見たことがありますが本当に厄介です。残された創業者は会社で働き続けているのに、もう一方の創業者は株式を持ったまま退職してしまっています。これは残された創業者や株主にとって様々な問題を引き起こします。
これを防ぐには、創業者株式を発行する際の会社設立文書に創業者株式のべスティング条項を入れることです。それをしなかった場合は、シードラウンドなどの資金調達のタイミングでべスティングを設定しましょう。
会社の売却時には、創業者全員が持つ株式のべスティング期間を短縮するのが一般的です。買い手が買収後も創業者に会社に留まってほしいと考えている場合、買収時に創業者株式の取り扱いについて交渉することができます(これにはいくつか方法があります)。
また、創業者を解任する場合、別離契約でべスティング中の株式を多めに付与するのが一般的です。ただし、これについて事前に合意しているケースは稀です。べスティング期間が残り少ない場合を除き、べスティング中の株式をすべて付与することはあまりありません。しかし、強制的な解任の場合は、いくらか余分に付与することが多いです。
共同創業者と創業者株式のべスティングを設定していないのなら、そうすることをおすすめします。投資に精通したエンジェル投資家やベンチャーキャピタルから資金調達する場合、投資契約の一環としてべスティングを求められるはずです。
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Editorial Team / 編集部