本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「The Hashtag」を翻訳したものです。
Fred Wilson氏による過去の翻訳記事の一覧は、こちら。
15年前の2007年8月23日、 Chris Messinaはある話題に関するツイートをまとめるのに「#」記号をツイート内で使うことを提案しました(彼が提案したのはbarcampの話題)。
彼がそう提案したツイートがこちらです。
how do you feel about using # (pound) for groups. As in #barcamp [msg]?
— messina.eth (@chrismessina) August 23, 2007
(ツイートの翻訳:「#」でグループをつくるのはどうかな?#barcamp(メッセージ)みたいに)
この話で私が素敵だなと思う点がいくつかあります。
1. あるユーザーの提案を他のユーザーが受け入れ、使い始めたことで機能ができた。
2. ツイッターがハッシュタグの存在を認識し、一歩踏み込んでサービス内で機能するハイパーリンクにした。
3.ツイッターユーザーがそれをクールな機能と感じ、積極的に使い始めたことでハッシュタグが普及した。
4.ユーザーはハッシュタグをツイートのグループ化のためだけでなく、さまざまなことに使い始めた。
5. ハッシュタグはツイッターだけでなく、インスタグラムのような他の人気ソーシャルメディアにも広がり、今ではユーザーが何かを「タグ付け」する標準的な方法となった。
6. ハッシュタグはソフトウェアにとどまらず、私たちが普段使う言葉やメディアにも浸透した。
私はツイッターの投資家で、取締役を務めていました。当時、まだ会社は小さく、従業員は20人もいなかったと思います。Blaine Cook率いる開発チームの人数はその半分くらいで、サービスの成長に対応しようと必死でした。ただ、彼らには先見性があり、ユーザーが自発的に使い始めた「#」や「@」を重要視していました。そして、それらを機能としてソフトウェアに組み込むことを優先させたのです。これはとても大事なことでした。
現在ツイッターに戻っているBiz Stoneは、これが起きた経緯をブログ記事にまとめています。短いけれど良い読み物です。
ツイッターが辿った道は複雑で、多くの浮き沈みがありました。けれど、ツイッターはこれまでも、これからも、インターネット上に構築された最も重要なサービスの1つであり続けるでしょう。その理由の1つがこのハッシュタグです。
(Fred Wilson氏による記事の翻訳一覧はこちら)
Editorial Team / 編集部