SmartHRが約156億円を調達、新たなユニコーンの誕生🦄

5月21日の日経新聞の記事で、SmartHRが125億円のシリーズDの資金調達ラウンドをクローズし、時価総額が1,700億円に達したことが発表前に報じられました。資金調達ラウンドはいずれも行政機関への届け出が義務付けられているので、いつまでも隠しておけるものではないので仕方ありません。そういうわけで、資金調達自体は公になってしまいましたが、その詳しい内容や当事者側コメントは今日まではまだどこにも出ていませんでした。ですので、この記事でお伝えします。

最終的なラウンドのサイズは約156億円で、そのほとんどがSequoia Capital Global EquitiesやLight Street、Whale Rock、国内外のテック企業への投資実績を有するクロスオーバー投資家(*)からの出資でした。今回は世界中のトップ層の投資家から注目が集まり、実際に私たちのところにも出資させて欲しいとのメッセージが山ほど届くなど、非常に競争の激しいラウンドとなりました。おかげで、SmartHRの経営チームは次の成長ステージに向けて最も適した出資者たちを最終的に選ぶことができました。

(*) ここで言うクロスオーバー投資家としては、上場・非上場企業の両方を対象に投資・支援を行うミューチュアルファンドやヘッジファンドが含まれます。社名は非公開ですが、運用資産が約2兆ドルの世界最大級の機関投資家も含まれます。

言うまでもなく、これはSmartHRのメンバー全員の功績として祝うべき素晴らしい結果です。この場で、Coralからも改めてお祝い申し上げます。資金調達自体はゴールではありませんが、新たな価値を創造しようと何年も取り組んできたメンバーたちの努力を象徴する1つのマイルストーンであることは確かです。私たちとしても、目標を常に達成するだけではなく、年々それを上回って成長し続けられるSmartHRのようなスタートアップに出会えることは実のところ滅多にありません。そんな企業の方々と関わる中で、私自身もとても多くのことを学ばせていただき、本当に感謝しています。

今回のラウンドはSmartHRだけではなく、日本のスタートアップ界全体にとっても1つの変曲点を象徴しています。日本でSaaS企業を「ブリッツスケーリング」する際の実質的な基準となる前例を作り出したからです。資金調達の勢いや、トップレベルの実力を持つ経営チームの形成、組織やカルチャーのスケーリング、そしてそれ以外のどの面でも、彼らは圧倒的スピードで展開してきました。

また、今回の資金調達により、近年増加傾向にある「未上場で100億円以上を資金調達できた日本企業」のリストにSmartHRが新たに加わることとなりました。ただ単に並外れた実行力で達成したわけではありません。もちろん、エグゼキューション力も不可欠ですが、一方で、エグゼキューション力が高かった会社は他にもありますが、今回ほど多額の資金を調達はできませんでした。では、SmartHRが何をしたのかというと、海外投資家にまでネットワークを広げたのです。

以前にも書いたように、世界を視野に入れたより巨大な資金プールにアクセスするためには、その資金プールへの橋渡しとなって支えてくれる経営チームや投資家たちの存在が重要になります。つまり、言葉だけではなく文化の壁を超えてコミュニケーションできる経営チームを形成し、いつか機会が訪れたときに備えて人脈を作っておく必要があるのです。実際、SmartHRも創業してまだ比較的間もない時期からグローバル視点を持った経営チームを作り、グローバルネットワークを持つ投資家と組んできました。

私たちはSmartHRに対してCoral Capital史上最高額の投資をしていますが、これには十分な根拠があります。SmartHRが明確な顧客課題へのソリューションとして非常に優れたプロダクトを作っていることは早い段階から明らかでしたし、さらに迅速な実行力で結果に結びつけ、その成長を継続するためのカルチャー形成にも効果的に取り組んでいたのです。同社が次の事業拡大フェーズに突入する中、私たちの彼らに対する確信は変わりません。SmartHRは歴史に残るような企業であり、今後もそうあり続けるでしょう。

James Riney

Founding Partner & CEO @ Coral Capital

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