Coral Capitalは6月、出資先7社のプロダクトマネージャー(PdM)が抱える課題を赤裸々に語るトークイベントを開催。現役もしくは今後PdMへの転身を考えている人など約150人が参加し、登壇者が語るリアルな実情に耳を傾けました。
本記事では、1人目のPdMを募集中というパートナーサクセス株式会社の永田雅裕氏による、「未来のプロダクトCEOはあなた!」と題したライトニングトークの内容をお伝えします。
パートナーサクセスは、パートナーの販売チャネルの売上を最大化する「パートナー管理クラウド」を提供しています。2019年9月に創業して、昨年12月にはCoral CapitalとALL STAR SAAS FUNDから1億円の資金調達し、絶賛開発を強化中です。
「パートナー販売」はウェブ販売・直販と並ぶ、3大販売チャネル
世界の流通金額の75%は間接販売、つまりパートナー販売が占めています。ウェブ販売と直販営業に並んで、パートナー販売は3大販売チャネルの1つなんです。
グローバルと国内を合わせると、企業の約80%がパートナー販売チャネルを活用しているとも言われています。
「パートナーセールス」をアップデートする「パートナーサクセス」、海外のLinkedInでは注目の職業に
私たちはプロダクトだけではなく、「パートナーサクセス」という概念も日本でイチから作っています。
この3〜4年で、「カスタマーサポート」をアップデートする概念として「カスタマーサクセス」という言葉が定着してきました。それと同じように、「パートナーセールス」から「パートナーサクセス」という概念に移行が始まっています。
かつて「カスタマーサクセス」の概念が顧客中心のビジネスモデルを体系化したように、「パートナーサクセス」によって、パートナービジネスの成功の仕組みを提供していきます。
海外に目を向けると、「パートナーサクセス」は新しい役職として受け入れられています。例えばLinkedInで検索すると、パートナーサクセスの募集だけで4万件以上ヒットしますし、「パートナーサクセスマネージャー」という役職もGAFAMを中心に3〜4年前から認知されるようになってきました。
私たちは役職だったりポジションとしても、パートナーサクセスという在り方を広げていきたいと考えてます。
クラウドだから実現できる、パートナー販売成功の方程式
そもそもパートナービジネスには、「パートナー数 × 営業力 × 稼働率」という成功の方程式があり、それぞれの数値を向上させていくのが良いとされています。
ところが、伝統的な多重下請け構造のパートナービジネスは、関係者が多く、しかもチャットツールやスプレッドシートなど様々なツールを使いながらコミュニケーションをしているので、(成功の方程式に必要な)数値を可視化することが難しいのです。
私たちはこうした煩雑なコミュニケーションをクラウドで一元化していくことで、パートナーサクセスを実現するスキームを提供しています。
現状はスタートアップを中心に導入が進んでいます。今はまだ2期目なので、これからピッチコンテストなどで露出を高めていくフェイズになっています。
いまはシードラウンドで、シリーズAに向けてPMF(プロダクトマーケットフィット)していくところが1つ目標です。そのために、未来のCxOやVP候補を積極的に採用しています。
PdMの悩み①「そもそもPdMがいない…」
現状の課題なんですけど、(代表取締役の)私が登壇してるのでお分かりの方もいらっしゃるかもしれません。プロダクトマネージャー(PdM)が不在なので、1人目のPdMが欲しいんです。
(下の図は)プロダクトサークルというもので、色付けしているところが弱い部分です。特に、B2Bのセールステックとしてプロダクトを牽引できる方がいれば徹底的に権限をお渡ししたいので、まずカジュアルにお話ができればと思ってます。
PdMの悩み②「PdM不在のためBizとTechのバランスが取りにくい」
PdMがいない中でどのように運営しているかというと、私がプロダクトオーナーになりつつも、ボードメンバーでいろいろと決めていっています。
顧客の声をヒアリングしながら、攻めていく業界は決めていて、その企業ペルソナも設定しているんですが、「どの機能から作っていくのか」「コアとなる基盤は何が重要なのか」みたいな部分は話し合いながら進めているのが現状です。そのため、ビジネス部門の意見が大きくなることもあれば、テック部門の声が強くなることもあり、結構ちぐはぐだったりもしています……。
ですので、うまくバランサーとして「プロダクトの芯」になっていただける方がいると、一気にプロダクト自体が加速すると考えています。
私たちは「パートナーサクセス」という概念を作るところから始めているので、こういう状況からプロダクトを牽引いただくのは、とても魅力があるんじゃないかと思っています。興味を持っていただいた方は、私のメールあてにお気軽にご連絡ください。
・永田さんのメールアドレス : [email protected]
【プロダクトマネージャーが抱える課題トーク、全記事一覧】
- ほぼすべてのB2Bスタートアップが遭遇 「多様なニーズに対する機能性定義」問題にどう対応する?(クレジットエンジン)
- ビズとテックの橋渡し役がいれば……。PdM不在スタートアップが遭遇する”産みの苦しみ”(パートナーサクセス)
- 「週1回の新機能リリース」をやめたら、製品へのこだわりが強くなった話(N Inc.)
- 「プロダクトマネージャーのバイブル」を読んだエンジニアが、素人だけどPdMを兼任してみた話(Handii)
- コロナ禍の医療スタートアップが「クリニックの無駄」をなくすためにやっていること(CAPS)
- AIが勝手にやってくれるんでしょ?→誤解されないための「期待値合わせ」はクライアントと一緒に(ハルモニア)
- 超アナログな貿易業界をDX化、物流スタートアップが挑む「不確実性のかたまり」(Shippio)
Content Lead @ Coral Capital