Coral Capitalは1月、「企業のDXを進める注目スタートアップ10社Pitch」というオンラインイベントを開催。投資先の10社が集結し、それぞれ5分という持ち時間の中で自社サービスの概要と事例についてピッチしました。
本記事では、リーガルリサーチシステムを提供している「株式会社Legalscape」によるピッチの内容をお伝えします。
株式会社Legalscapeは、リーガルテックの会社です。社名に「Legal」が入っているのですが、情報系エンジニア集団で、実は誰も弁護士資格を持っておりません。リーガルの知見は、協業先である森・濱田松本事務所の協力のもと、得ています。社内の自然言語処理などの「技術力」と森・濱田松本法律事務所の「プロの知見」を掛け合わせることで、リーガルテックのサービスを作っています。
企業のリーガル業務をDX化
本日、覚えていただきたいところを3点にまとめました。
まず第1に、Legalscapeは法律版のGoogleやSPEEDAといえます。営業部にとってのSalesforceや、経営企画部にとってのSPEEDA、Excel、TableauなどのBIツールにあたるものともいえるでしょう。それくらいリーガル業務をする上で必須の情報基盤だと思います。
第2に、Legalscapeはリーガルリサーチの手間や時間、探し漏れを減らし、効率化と品質向上をもたらします。リーガルリサーチの情報源である法律やガイドライン、解説書籍などを一元的にまとめて検索できるようにしています。
特に企業法務(ビジネスロー)の分野が非常に充実しており、商事法務という有名なリーガルの出版社から書籍を独占的に提供いただいていたりもします。また、森・濱田松本法律事務所さんと協業することで、最新のリーガルの知見をうまく活かしながら独自のコンテンツや機能を提供しています。
第3に、このサービスを利用することで、“法務のDX”や“法務判断の迅速化・高度化”を推進できます。例えば、新規事業のリーガルチェックを迅速に進められるなどの利点があり、五大法律事務所をはじめとする企業法務系事務所さんにお使いいただいています。
また、商社や製造業、通信、金融系など、業種を問わずさまざまな企業の法務部さんにもお使いいただいています。2021年6月に正式版サービスをリリースして以来、短期間で導入実績が拡大しています。
法律情報を「すばやく、もれなく」検索
リーガルリサーチというのは、文献を探すところから始まります。文献を見つけたら、さらに書籍の中から関連する場所を探し、該当箇所を読みます。これがリーガルリサーチ業務の一連の流れなのですが、弊社のツールは「探す」過程の効率化を支援しています。
支援の軸に置いているのは「すばやく、もれなく」探せるというところです。例えば、ある事業判断が景品表示法に抵触していないかどうかを調べるときに、抵触している事例・していない事例をすばやく、もれなく探せます。
デジタルならではの「章単位でのキーワード検索」と「逆引き」機能
すばやく、もれなく検索できる機能の例として、「章単位でのキーワード検索」と「逆引き」機能があります。
「章単位でのキーワード検索」とは、あるキーワードで書籍内を検索したい場合に章ごとにキーワードのヒット数を可視化する機能です。この機能により、どの章が今回のキーワードに関連しそうか?のあたりを素早くつけることができます。
また、最後に、もれなくリサーチするための機能として、「逆引き」機能をご説明します。
この機能では、今見ている文献(上画像左部分)が、別の文献に引用されているかどうか(上画像右部分)を調べられます。この「逆引き」は、これまでの紙でのリサーチではできませんでした。しかし、電子化されることによって可能になり、「実はこの文献にも引用されている」ことに気づくことができるため、網羅性を高めてくれます。
もちろん、法律の文献を読んでいるときに、他の文献へのリンク(青字部分)へ飛んで参照できるという機能もあります。
まとめますと、「Legalscape」は、リーガルリサーチ業務の「探す」部分を支援いたします。「すばやく、もれなく」文献を探せる機能が充実しているだけでなく、文献の数も約1,050冊(うち商事法務の書籍が約500冊検索・閲覧可能)と充実しています。詳細は、ぜひお問い合わせいただければと思います。
Editorial Team / 編集部