Coral Capitalは1月、「企業のDXを進める注目スタートアップ10社Pitch」というオンラインイベントを開催。投資先の10社が集結し、それぞれ5分という持ち時間の中で自社サービスの概要と事例についてピッチしました。
本記事では、パートナー企業のプライシングを戦略策定からシステム化まで一気通貫で支援する「ハルモニア株式会社」のCEO松村大貴氏によるピッチの内容をお伝えします。
ハルモニア松村です。よろしくお願いします。「企業のDXを進める注目スタートアップ」というイベントで言うのもアレなんですけど、今回は「DXだけじゃダメ」という話をします。
ハルモニアは、戦略からシステムまで、一気通貫でさまざまな企業のプライシングを支援しているスタートアップです。プライシングというのは、価格戦略や、最近注目されているダイナミックプライシング(※1)などのことです。
※1 需要と供給の状況をもとに価格を変動させる仕組み
日本の賃金が上がらないのは「価格決定力」がないから
プライシングの重要性や面白さを理解していただくために、少し大きな話からします。
現在日本では、物価も賃金も上がらないという状態がずっと続いています。原材料が高騰している一方、なかなか消費者物価指数が上がっていません。
経産省と中小企業庁による調査を見ると、他の国に比べても著しく悪い状況です。日本の企業は「働き方改革」や「DX」に取り組んではいるものの、収益力が上がっていないのです。
それは、なぜか。例えば、アメリカとかドイツと比べると、日本では、価格決定力が、生産性向上を相殺してマイナスになるほど悪くなっているからです。簡単にいうと、値上げできないんです。日本企業は、積極的に価格をつけてお客様に提案していったり、交渉や営業したりということにとても不慣れであるということがデータからわかっています。これは日本企業の課題であり、ひいては日本経済の課題でもあります。
この課題をなんとかしたいというのが、ハルモニアが企業さまと協業するときの一番のテーマになっています。
DXで成果が出ない企業が見落としていること
価格決定力を上げるためには、プロダクトや事業上の優位性を作るイノベーションが一番重要です。しかし、イノベーションへの投資が実を結ぶまでには時間がかかります。
DX推進を続けていても、なかなか結果が出ていないという企業がほとんどです。それは、目的が不明瞭で手段が目的化していたり、デジタル戦略人材が不足していたりするためです。また、研究開発や人材への投資も日本は遅れています。
一方で、プロダクトや事業を強くするだけではなく、既存製品やサービス、新規事業におけるプライシングの工夫によっても価格決定力向上を図ることは可能です。ハルモニアは、そこを一緒にやっていこうと提案しています。
大きな流れは以下の通りです。
コストベースプライシング(※2)からバリューベースプライシング(※3)への変更や、固定的な商取引・価格設定から変動的な形への変更などを、コンサルティングから、技術やシステムに落とし込むところまで一緒にやっています。
※2 原価に利益を乗せて価格を決定するプライシング
※3 消費者が感じる価値から価格を逆算するプライシング
プライシングには、さまざまなTIPSやテクニックの話がありますが、一番重要なのは戦略と、それを実現するためのシステムや組織のアップデートです。
そうした戦略、システム、組織のアップデートを支援しているのが私たちハルモニアです。価格に特化したコンサルティング、エンジニア両方のチームがあり、モビリティ、小売、IT、レジャー観光といった業界で協業させていただいています。
プライシングを支援したら、月ベースで10%増収が出た事例もあります。
サポートの内容は、基本的にはクライアント様のニーズに合わせています。戦略立案だけするときもありますし、業務プロセス構築やシステム実装までするときもあります。
また、タイムリーな価格対応や直感的な運用ができるシステムも提供しています。この辺について聞きたい方はぜひご連絡ください。
プライシングのシステムや戦略は基本的に業界によって異なるため、各社のデータ構造や商取引の慣習に合わせ、カスタマイズできるように作っています。
それぞれの経営戦略を、現場で使いやすいシステムに落とし込むところがハルモニアの強みです。まずは、ゆるいご相談からでかまいません。いつでもお問い合わせください。以上です。
Editorial Team / 編集部