本連載はオープンソースライセンスの1つであるGPLの元に公開されている「The Eng Team Handbook」(エンジニアチーム・ハンドブック)を翻訳したものです。開発チームが効率的に仕事するために必要な「効果的な1on1の実施方法」「開発メンバーから開発マネージャーに役割が変わるときの注意点」「パフォーマンス評価のテンプレート集」「360度評価のテンプレート」などが含まれます。
著者はStripeのエンジニアであるrayleneさん。これがStripeのやり方と明示されているわけではありませんが、急成長するシリコンバレーのスタートアップにおけるエンジニアチームの取りまとめ方という意味で、日本のスタートアップでも参考にしていただけるのではないかと思います。全体を5回の連載に分けてお届けします。本記事は第4回です。
【開発チーム・ハンドブック】連載目次
- (1)効果的な1on1の実施方法
- (2)開発メンバーをマネージャーにするときの注意点
- (3)開発メンバーが異動で別のマネージャーの元で働くとき
- (4)360度パフォーマンス評価のためのテンプレート集
- (5)部下の評価など複数のフォーマンス評価を書くためのガイド
パフォーマンス評価のテンプレート
ここでは自身のパフォーマンス評価(自分の仕事を評価する)、上司(マネージャーへのフィードバックを書く)、部下(マネージャーとしてチームメンバーのフィードバックを書く)、同僚(同僚へのフィードバックを書く)のパフォーマンス評価を行う際に使えるテンプレートをご紹介します。テンプレートは会社の価値観や役職レベル、階級に合うようカスタマイズしてご利用ください。
【自己評価のテンプレート】自分の仕事の振り返りとフィードバックを行うとき
主な成果:評価対象期間中、どのようなプロジェクトや仕事に着手し、それぞれどのような成果を出しましたか。3〜5つの重要な点に絞って自己評価します。
自分の強みと、それが活かせた領域:あなたの強みはなんですか。どのように強みを生かして成果を出しましたか。
改善点:改善の余地があるのはどの部分ですか。あなたが成果を出すのに障害になっていたことはありますか。
【上司評価のテンプレート】マネージャーへのフィードバックを行うとき
マネージャーのサポート:評価対象期間中、マネージャーはあなたとあなたのチームの目標を達成する助けになりましたか。
マネージャーの強みと、それが活かせた領域:マネージャーの強みはなんですか。どのように強みを生かして成果を出しましたか。
改善点:あなたをサポートしたり、チームがさらに良い結果を出したりするために、マネージャーが改善できることはありますか。
【同僚評価のテンプレート】一緒に仕事をした人(チーム内、または部門横断的な協力者)へのフィードバックを行うとき
一緒に働いたことについて:評価対象期間中、同僚とはどのように協力して仕事を進めましたか。協力したプロジェクトと、その協力方法について評価します。
同僚の強みと、それが活かせた領域:同僚の強みはなんですか。どのように強みを生かして成果を出しましたか。
改善点:改善の余地があるのはどの部分ですか。同僚が成果を出すのに障害になっていたことはありますか。
【部下評価のテンプレート】
同僚から集めたフィードバックに基づいて、あなたのチームのメンバーに対してマネージャーとしてフィードバックを行います。同僚からのフィードバックを引用し、マネージャーとしてのあなたからのフィードバックの主旨を補足すると良いでしょう。
主な成果:評価対象期間中、どのようなプロジェクトや仕事に着手し、それぞれどのような成果を出しましたか。3〜5つの重要な点に絞って評価します。
部下の強みと、それが活かせた分野:メンバーの強みはなんですか。どのように強みを生かして成果を出しましたか。メンバーが期待以上の成果を出した部分はありましたか。
改善点:改善の余地があるのはどの部分ですか。メンバーが成果を出すのに障害となっていた部分はありますか。メンバーが期待される成果を出せなかった部分はありましたか。
今後の対策:上記のことを踏まえ、次の評価対象期間でメンバーが注力すべきことはなんですか。次回の評価をより良くするために、一緒に取り組めることはありますか。
Editorial Team / 編集部